わが子の集大成、見させて 高校野球代替大会で保護者が署名活動 - 信濃毎日新聞

　子どもの高校最後の舞台を生で見て応援したい―。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった全国高校野球選手権長野大会の代替大会（７月１８日開幕）で、保護者の入場の可否に関係者が注目している。原則として無観客で開催するが、県高野連は野球部員の応援は認め、保護者については「検討中」。こうした中、３年生の保護者を中心に県内各地で入場を求める署名活動を２５日まで行った。

　日本高野連が作成した感染防止対策ガイドラインは「関係者（野球部員、保護者）の入場については都道府県高野連が判断する」としている。ただ、県高野連は保護者の入場を認める場合、試合日の２週間前からの行動履歴を確認したり、観戦者の名簿を作ったりする必要があるとし、それらを管理する人員確保などに課題がある。

　同じ１８日に開幕する軟式の代替大会は保護者の入場を１チーム最大５０人まで認めた。軟式と違って硬式の代替大会は全試合をインターネットで中継するため、試合は観戦できる。その上で、県高野連の依田和浩専務理事は「できる限りのことを検討している」と話す。

　静岡県は「保護者の応援は１チーム最大５人まで（試合中の入れ替え可能）」、愛知県は「部員１人につき保護者は２人まで」と対応は分かれる。

　署名活動は、長野日大の保護者会長の丸山努さん（４７）が発案。「息子の最後の試合を見られないかもと不安になり活動を決めた」と話す。同校の選手が県内各地から集まっていることを生かし、親のネットワークを通じて各校の保護者会長と連絡を取って呼び掛けた。２５日までに「４０校以上から署名が集まった」という。２６日に県高野連に署名を渡す。

　野沢北の保護者会長の中沢信一さん（５１）は「高校で野球を辞める子が多い。親の区切りをつけるためにも現地に駆け付けられるようにしてほしい」と署名に賛同。小諸商の伊部元貴主将は「今まで支えてもらった親に成長した姿を見てもらいたい」と願う。

　７月４日から始める県高校総体代替大会も原則無観客での開催。保護者の応援については各競技専門部で対応を検討しており、陸上と水泳は認めない方針だ。

（6月26日）

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