このニュースにインターネットでは「今度は帰省警察か」という声が上がった。コロナ禍では多くの“自粛警察”が出現したが、こうした正義感や使命感に後押しされるという活動にネットでは、「一方的な正義感を振りかざすな」「感染が怖いという気持ちも分かる」といった様々な声がある。
コロナ禍で浮き彫りとなった私的な制裁。そこにある正義はどこから来て、誰に振りかざされているのか。11日の『ABEMA Prime』は改めて議論した。
■正当な非難? “帰省警察”からみえる課題
東京から帰省した男性の実家に紙が投げ込まれたことについて、自粛警察を取材しているノンフィクションライターの石戸諭氏は2点を指摘する。青森県の三村知事は4日、「一律に自粛をお願いすることはできる限り避けたい。県民には帰省される方々を温かい心で受け入れて欲しい」との見解を示した。一方、東京都の小池知事は6日「この夏は特別な夏として旅行・帰省・夜間の会食・遠くへの外出を控えて欲しい」としていて、自治体が発信するメッセージをどう受け止めるかも行動に影響すると言えそうだ。
帰省について石戸氏は個人が判断するべきだといい、「例えば、東京や大阪、名古屋などそれなりに感染者が多く出ているところから帰省して、高齢者と接触するのはリスクがある。これを避けましょうというのはわかるが、感染が広がっていないエリア同士で行き来することの何が問題なのかはよくわからない。リスクを高める行動はやめようというのは、国や自治体の長が言うよりも個々人で考えられる領域だ」と話す。
また、「BlackDiamond」リーダーのあおちゃんぺは「帰省がありかなしかというよりも、家族や周りの人のことを考えたら、私はできないと思っている。それは、どっちが正しいにしろ手紙を投げ込む人が判断することではない。危険だと思って手紙投げ込むくらい嫌だと考えているのに、よくその家に寄り付いたなという矛盾を感じる」と指摘。
ジャーナリストの堀潤氏は「コロナに限らず、この10年いろいろな分断の現場を取材してきて感じるのは、必ず大きい主語がのさばっていることだ。今回だと“知事は・東京は・感染者は・地方は”といったもの。大きな主語の正体は固定観念というイメージだが、本来は一人ひとり違って、自粛警察と括られる人たちでさえも各々いろいろな主張や背景がある。ここで必要なのは、そういう大きい主語に乗っからずに、ただただ小さな主語の個別具体例を積み上げていくようなメディアのアプローチ。そのためには現場に足を運ばなければならない。ただ、今コロナで現場を丁寧に訪ね歩くことに制限がある中では、『こういった大きい主語が跋扈しやすいから丁寧に見よう』と呼びかけていく必要があると思う」と述べた。
■“東京の感染者数だけ”の報道に問題も? 誰もが自粛警察になる可能性
東京の感染者報道に対して、Twitterでは「マスコミが毎日『東京の』コロナ感染者数『だけ』報じる」という声や、そうした情報が連日報道されることで国民に東京への不安が植え付けられ、東京差別につながっているとする見方もある。ウイルスによる感染症には、感染症そのものが広がる第1段階と、感染に対する不安や恐怖心が広がる「心理的感染症」の第2段階、不安や恐怖がベースとなり特定の人たちに対する差別、偏見、嫌悪が広がる「社会的感染症」の第3段階があるとされている。
堀氏も“イメージの世界”だとし、「イメージを打ち破るには実際にこうだということを伝えていかなければならない。自粛警察でパチンコが話題になったが、この前どんな感じかなと思って久しぶりにお店に行った。今パチンコメーカーは技術開発を進めていて、自動で台のところに『消毒済み』『消毒必要』ということが出る。それを店員にもお客さんにも周知している。実際に足を運んでみると『パチンコ屋はこういうことやっているのか』『実際には静かだな』という発見があって、そこまで丁寧にケアしていくような伝え方が必要だ。『パチンコ店は』ではやはりダメだ」と指摘。
■渋谷で“クラスターフェス”も…あおちゃんぺ「どっちも自己中」
東京から青森に帰省した男性は「仕事柄、人にはうつせないので、どうしても人よりは多く検査はやっている」「PCRを2回(6月・7月)もやっている。陰性だから帰ってきたという気持ちがある」と話している。感染拡大を恐れる一方で、その対極にいる人もいる。「#クラスターフェス」というハッシュタグがこの週末話題になったが、マスクをつけずに渋谷・ハチ公前広場などでのデモや音楽フェスを複数回開催していたという。都知事選で「コロナはただの風邪」と主張した国民主権党の平塚正幸氏が呼びかけたもので、マスクやソーシャルディスタンス、3密の回避、自粛は必要なしと主張する人たちの集まりだ。
石戸氏は「こういう極端な動きに対してどうするかという時に、極論をぶつけ合うのではなく『コロナはただの風邪ではない』ということを淡々と言い続けていくことが大事だと思う。今のメディアの役割としてはこっちを大事にしたい」とした。
あおちゃんぺは「『自粛しろ』と言う人もそうだし、クラスターフェスをやっている人もそうだが、お互い自分が正しいと思っていても、相手のことを考えていたらそういうことはしない。どっちも自己中の集まりだと思う」とコメント。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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August 12, 2020 at 06:00AM
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