東京に最も近く、全国でも数少ない沿岸捕鯨基地として知られる千葉県南房総市の和田浦で約40年にわたって営業してきたクジラ料理の名店「ぴーまん」が閉店した。1月13日に火災で店舗が焼失し、店員の高齢化などから再建を断念。店のホームページは2月3日に閉鎖される。和田浦のクジラ食文化を支えてきた同店の閉店は、長い伝統を誇る南房総の捕鯨にとっても手痛いダメージとなりそうだ。
火災は1月13日午前11時半ごろに発生。調理場の油に火がかかり、少し目を離した間に燃え広がったという。店舗や隣接する自宅がほぼ全焼したが、客や店員らは逃げて無事だった。
同店を営んできた櫟原(いちはら)秋治さん(73)は閉店について「私もパートの方も年齢がいっている。残念だが、今から借金をして食堂を再建してもという思いだ」と心境を明かす。
ぴーまんは昭和60年ごろに開店。外房(がいぼう)捕鯨(同市)が和田漁港に水揚げしたツチクジラや、共同船舶(東京都)が捕獲したミンククジラなどを仕入れ、房総名物のなめろうをはじめ竜田揚げや天ぷら、カツレツといった豊富なメニューで知られた。
和田漁港近くの同市和田町仁我浦にあった店舗は、週末の昼時などには行列ができ、海外からの客が訪れることもあった。地域のクジラ食文化を発信する拠点でもあっただけに、閉店でクジラ食の普及や継承に黄信号が灯ったと言える。
火災で店の電話も燃えてしまったが、ホームページで閉店を告げると櫟原さんの携帯電話には常連客などからお見舞いの言葉とともに「やめないで」「困る」といった翻意を促す電話がひっきりなしにかかってきたという。
これに対して櫟原さんは「長らくご愛顧をいただいて、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べた上で、同店から少し離れた「道の駅和田浦WA・O!」で妻の八千代さんが運営している食堂の利用などを呼び掛けている。(小野晋史)
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