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息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」 - Design Stories

英語とかポーランド語ではボロネーズだけど、もちろん、本場イタリアではボロネーゼ。正確には、ラグー・アッラ・ボロニェーゼ(ragù alla bolognese)となる。
ボロネーぜって、地域で味や作り方もまちまちだし、イタリア家庭一軒一軒で味が違うし、何なら、その日の気分でぜんぜん違ったボロネーゼが出来る。
正直、父ちゃんの作るボロネーゼは父ちゃんのその日の気分と、あとは冷蔵庫さんとの相談で決まる。
そのくらい、逆に言うと、残り物の処分にも最適でありながら(笑)、めっちゃうまい一品だからさ、主夫である父ちゃんには助かってる。
お前が結婚して、子供育てないとならなくなったらだな、作ってやればいいんだよ。
フランスは男も料理するのが当たり前だから、得意料理を幾つか持っておけ。
「パスタは父ちゃんのがいい」と子供たちに言われると、ちょっとは嬉しいもんだ。
やっぱ、フライパン重いしな、お前は身体もでかいし、パスタ向きだ。

息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」

実は、気がついてるかもしれないけど、父ちゃんは二種類の作り方をする。
パスタの上からかけるスタイルと、もう鍋の中にパスタごと入れて、ぐちゃぐちゃ混ぜて出す2パターンだ。
どっちも美味いし、何が違うってことはない。
胃袋に入っちゃえば一緒だけど、大事なのは、やはり味わう時の歯ざわりとか、旨味の広がり方とか、まあ、気分とかで、このどちらを選択するかは重要になる。
先週、お前に作ったのは、上からかけるタイプだけど、それは下が平面のラザーニェットで作ったからさ。
この麺は日本のきしめんのように、もちもちとしている歯ざわりを大事にしているし、それだけでもご馳走になるような麺だから、上にかけて両方の触感、味を楽しんで、最後に混ざっていくのをもう一度楽しめるという寸法で、文句なし。
でも、普通のスパゲティで作るならば「イタリアのママ風」と父ちゃんは呼んでるけど、煮込んだボロネーゼソースの中に茹で上がったパスタをぶっ込んで食べるスタイルも美味い。

ボロネーゼの起源をさかのぼると、昔、フランスの煮込み料理をゆであがったパスタにかけて食べたら美味しかった、という時代にさかのぼるので、本来は上にかけて食べるのが王道なんだろうけど、君が小さい時に連れて行ったボローニャ地方のレストランもこのスタイルが多かったね。
でも、料理は歩く歴史だからさ、時代や地域やママたちの工夫で鍋パスタ入れた方が、子供たちは食べやすいとか、変遷をたどることになる。
ああ、そういう意味では、イタリア人にとってスパゲッティはママの味だね。
アレクサンドルのパパ、ロベルトのパスタは、鍋の中で混ぜるスタイルだけど、彼はミラノ人だからね、そのスタイルも悪くないし、めっちゃうまい。
子供にはこの方が食べやすいかもしれないね。

じゃあ、作るぞ。
まず、鍋とフライパンを用意し、野菜は粗みじん切りに、にんにくは潰しておくんだ。
このみじん切り加減で家庭それぞれの違いが出てくる。
そしたら、その野菜をだな、鍋にオリーブオイル大さじ2を入れ、弱火でじっくり炒めて行こう。
じっくりと炒めるのがコツだ。
ボールに挽肉を入れ、塩・こしょうして手でこねする。冷やした肉の方が粘り気が出る。それをまな板の上で平たく伸ばす。

フライパンにオリーブオイル大さじ2を引いて、包丁のへら部で押しつぶしたニンニクを弱火で火にかける。いつものやり方だ、わかるだろ? 香りがオリーブオイルに移ったらにんにくを取り出す。
平たくした挽肉を入れ、超強火で片側が少し焦げるくらいまで焼く。
この焦げ目が大事。で、焦げ目が付いたら赤ワインを回しかけし、今日は父ちゃんが口に合わなくて捨てずにとっておいたワインを使う。
で、木べらでほぐしながら焼いていく。焦げた所こそ旨味なので、フライパンからこそぎ落としながら、丁寧に大胆に豪快に焼け!

息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」

炒めた肉を鍋に入れる。
そこにトマト缶を加え、ワインをここで足してもいい。
濃厚さが違ってくる、お好みでって感じだな。
潰しながら良く混ぜ、弱火で30分ほど煮る。必ず、煮こむことが大事。
よく勘違いされているけど、ボロネーゼは煮込み料理なんだよ。

あくまでもお好みで、ケチャップ、醤油、砂糖など(材料A)で味を調える。
ボロネーゼの1/3量を取り出し、残りのボロネーゼの中に茹でたてのパスタを入れてよく混ぜる。皿に人数分取り分け、上に残しておいたボロネーゼをのせ、パルメジャーノやパセリをふりかけ完成だ。こういう方法もススメ。一部は上からかけるとうまいとこ取りになるわな! あはは。さあ、喰うか!

息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」

息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」

そして、こちらは予めオリーブオイルで絡めておいたラザーニェットの上に、古代のやり方でソースを上に載せる方法、パパはこっちが好きだけど、君はまだ子供だから、えへへ。

息子のための料理教室「世界最強、父ちゃんのボロネーゼ」

材料
牛挽肉  400g
塩    小さじ1/2
こしょう 少々
にんにく 1粒(潰しておく)
赤ワイン 1カップ強
トマト缶 1缶
セロリ     2本
にんじん    1本
玉ねぎ     2個(中サイズ)
オリーブオイル 適量

<A>
ケチャップ  大さじ1
砂糖     小さじ2
醤油    大さじ1
塩・こしょう 適量
スパゲッティーニ    400g
パセリ・パルミジャーノ 適量

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