新宿の駅近、土日にはランチもある!
こんにちは。カメラマンの工藤真衣子です。いろいろな国の料理を食べ歩くのを趣味にしています。外国でも日本国内でもたくさんの料理を食べてきました。
そんな筆者ですが、ナイジェリア料理デビューしたのは、ほんの3年ほど前。
アフリカ料理は、チュニジア、モロッコ、エチオピアなどは経験済みでしたが、ナイジェリア料理店は知らなかったのです。
しかし、あったのです! しかも新宿駅から徒歩10分ほど、新宿三丁目駅からはすぐ近くの、飲食店が立ち並ぶ路地の一角に。
早速ランチに行ってみたら、今までに食べたどこの料理とも違う、しかしとてもおいしい料理、ナイジェリアの雰囲気いっぱいな店内、日本語も上手でフレンドリーな店主さん。
ナイジェリア料理が好きになり、ナイジェリアという国にも興味を持ちました。
(ちなみにこの時食べたのは、後で紹介するエグシシチューのランチセットでした)
今回はそのお店、新宿のエソギエをご紹介します!
場所は新宿三丁目、落語の新宿末廣亭がある通りから1本入った路地のビル、3階にあります。
入り口がちょっと分かりづらいのですが、営業している時には道路沿いのビルの入り口に小さい看板が出ています。
3階まで上ると右側におしゃれなドアがあります。
人気ベスト3メニュー。どれも日本ではなじみのないものですね。
でも全部とてもおいしいのです。この後に紹介しますよ!
ドアを開けるとそこはもうアフリカ!? おしゃれだけど落ち着く雰囲気の店内です。
アフリカの楽器や小物があちこちに飾ってあります。
ナイジェリアのPALM DRINK=パームワイン(やし酒)農園の絵。
筆者は昔、ナイジェリアの小説『やし酒飲み』(岩波文庫)を読んでからやし酒に憧れていたのです。
パームワインはパームヤシの木に傷をつけて、にじみ出してくる樹液を木にくくりつけたつぼに集めて、それを木の上でそのまま発酵させてお酒にしたもの。
現在の市販のものは工場で作られているそうですが、エソギエでも飲めます。
オーナーのラッキーさんです。日本語も堪能でフレンドリーな方なので、一人で行っても楽しくお話しできると思います。
──こんにちは。よろしくお願いいたします。ラッキーさんはいつナイジェリアから日本に来たのですか?
ラッキーさん:日本に来たのは20年くらい前、2000年ですね。そしてお店を始めたのは2004年です。
──もう19年も営業しているのですね! なぜ日本でお店をやろうと思ったのですか?
ラッキーさん:妻が日本人なんです。このお店は日本の人にもっとナイジェリアのこと、文化などを知ってもらいたいと思って始めました。ナイジェリアの料理も知ってもらいたいです。店内でナイジェリアの音楽のライブをすることもあります。
メニューにナイジェリアについての説明が載っています。
──「エソギエ」という店名の意味を教えてください。
ラッキーさん:私はエド族の出身です。「エソギエ」はエド族の言葉で、私の名前です。意味は「王様からの贈り物」です。
羊肉、牛モツ、そして未知の食材の数々
では早速、料理をいただいてみましょう。
▲スヤ(Suya)/880円
これ、おいしいのです! 筆者の大好物です。
ナイジェリアのおつまみの代表的なもので、網焼きにした羊肉に特製スパイスがあえてあります。
脂身のない羊肉を、干し肉っぽい感じになるまで、かなりしっかり焼いてあります。そのため歯応えがあって、凝縮されたうま味があります。
特製スパイスはピーナッツや唐辛子をブレンドしたもので、ピリ辛です。
この独特なスパイスがクセになります! チビチビかじりながら、お酒を飲むのにぴったり。アフリカ料理でよく使われる赤玉ネギがさっぱり感を加えているのも良いのです。
▲ゴォンゴォン(Guonguon)/913円
牛の内臓を使ったナイジェリア版モツ煮込みです。
牛のモツのいろいろな部位が混ざっています。
味付けはトマトベースで日本のモツ煮込みよりもイタリア料理のトリッパに近いのですが、もっとさっぱりした感じ。しっかり下処理がしてあって全然臭みがないので、モツが苦手な人でもおいしくいただけそうです。
そして結構辛い! ビールが進みまくる味です。
ラッキーさん:ナイジェリア料理の辛さは唐辛子です。唐辛子はたくさん使いますね。
▲アカラ(Akara)/1,100円
黒目豆を細かく砕いてコロッケ風に揚げてあります。中はフワフワでお豆がぎっしり。
外サクッ、中フワッ。中の黒目豆がほんのり甘くておいしいです。
中東料理のひよこ豆のコロッケ、ファラフェルに似ています。
プランテイン、そしてエグシ
▲豆シチューとイドド(Beans stew and Idodo)/1,430円
黒目豆を煮たシチューです。トマトと一緒にペースト状に煮込んであります。ちょっと変わった香りを感じるのは天然パームオイルの風味です。
プランテインを揚げたプランテインチップス=イドドにつけて食べます。
皿の手前に置いてあるのが生のプランテインです。バナナと同じバショウ科の果物でアフリカや南米など熱帯地域全般で生産されている調理用のバナナです。甘味が少なく、ホクホクとした食感で、いろいろな料理に使われています。
※生のプランテインは参考のために置きました。メニューにはついてません。
──ナイジェリアでは黒目豆をよく使うんですか?
ラッキーさん:ナイジェリアでは黒目豆も使いますが他の豆も使います。このお店で黒目豆が多いのは私が好きだから(笑)。甘味があっておいしいですよ。
こういう風にイドドですくって食べます。イドドはサクサクしていますが、かむとバナナっぽいねっとり感があります。
豆シチューはライスと合わせることもありますが、つまみにするならイドドが良いですね!
▲ティラピアフィッシュペペスープ(Tilapia fish pepper soup)/1,210円
ナイジェリアの代表的なトマトベースのスープです。ペペはペッパー、ナイジェリアでは赤唐辛子のことを指します。
辛くておいしい! これも筆者が大好きなメニューです。
ぺぺスープはこのベースのスープの名前なので具材は肉、魚などさまざまなバリエーションがあるのですが、ここではティラピアです。ティラピアは白身の淡白な川魚。クセがなくさっぱりおいしくいただけます。
▲ジョロフライス(Jollof rice)/1,430円
人気ナンバー1のジョロフライス!
トマトベースの炒めピラフのような米料理で、トマトの酸味がきいていてピリ辛です。大きなチキンがのっています。
──使っているお米は日本米ですか?
ラッキーさん:お米はアフリカの米になるべく近くなるように、さまざまなお米をブレンドしています。
お米はしっとり。日本人にもとても親しみやすい料理です。初めてナイジェリア料理を食べた人もこのジョロフライスは必ず「おいしい!」と言います。
ジョロフライスも具材はいろいろあるようで、お店によっては魚を添えていることもあります。
▲オゲドウォ(Ogede Owo)/1,012円
ローストしたプランテインとエビにパームオイルを使ったソースであえたものです。
今回、一番異国を感じた料理です。パームオイルの香りと味、そして結構辛いです。チリソースのようですが、似ている味が思いつきません。
──このソースは日本ではなじみがない味ですね。
ラッキーさん:ソースはオゴと言って、私の出身、エド地方のものなんです。このソースをヤム芋やライスにかけたりして、いろいろな料理に使います。
お皿にのった状態ではよく分からないので具材をピックアップ。
こちらはプランテイン。ホクホクとして芋のような感じです。
こちらはエビ。辛いソースをまとったエビのうまさは間違いありません。
▲チキンエグシシチューとエマ(Chicken egushi stew and Ema)/1,650円
ナイジェリア料理ってどんなの? と聞かれたら真っ先に思い浮かぶのがこのエグシシチューです。
具材はチキンです。エグシシチューの具材はいろいろでお店によって肉、魚などがあります。
エソギエのメニューにもフィッシュエグシシチューがあります。
ナイジェリア料理は、ベースのソースや調理法で料理名が決まっていて、具材についてはバリエーションがあることが多いようです。
シチューの中の白い粒々の名前がエグシです。これがそのまま料理名になっています。エグシはメロンに似た、ウリ科の植物の種です。果肉は食べずに種だけをすりつぶして料理に使います。
エマはヤム芋の粉を練ってお餅のようにしたものでナイジェリアの主食です。
手で一口大にちぎって食べます。熱々でモチモチです。
このエマでエグシシチューをすくって食べます。
中に入っている緑の野菜はほうれん草とビターリーフのミックス。ビターリーフは名前通り、ほろ苦い野菜です。アフリカ料理によく入っています。
このエマとエグシシチューを一口でパクリ。
エマはマッシュポテトのようなとても滑らかな食感でもっちり。
エグシシチューはピリ辛で、ナイジェリア料理にはよくあるのですが、魚系のだしも入っていて、エグシや野菜のだし、肉のだしもきいていて複雑なうま味があり、とてもおいしいです。
もしその辺で手軽に売っていたら日常的に食べたいです。コンビニやファストフードで売り出してほしいです。
指はフィンガーボールで洗います。
ナイジェリア料理は珍しいものばかり! 全部の料理に新鮮な驚きがあって、しかもおいしいです。初めて食べる人もきっと好きになるはずです。
──全部おいしかったです! お客さんはアフリカの人と日本の人、どちらが多いのですか?
ラッキーさん:うちはアフリカ人以外のお客さんが7割です。土日はランチもやってるし、夜もノーチャージなので気軽に来てくださいね。
バーでもあるのでお酒もいろいろ用意していますし、ナイジェリアやアフリカのお酒も、それ以外のお酒やオリジナルのカクテルもあります。ノンアルコールのカクテルもありますよ。
ライブをすることもありますので、ぜひナイジェリアのことを知りに来てくださいね。
夜の新宿三丁目。飲食店が連なる中、小さなビルの入り口にエソギエの看板が出ています。
細い階段に最初は戸惑うかもしれませんが、勇気を出して3階まで上れば、そこではすてきなナイジェリアに出会えるのです。
お店情報
エソギエ(esogie)
住所:東京都新宿区新宿3-11-2 村木ビル3F
電話番号:03-3353-3334
営業時間:ランチ(土日のみ)12:00〜15:00(LO.15:00) ディナー17:30〜23:30(LO.23:00)
定休日:月曜日 ※月曜日が祝日の場合、翌日の火曜日休み
書いた人:工藤真衣子
カメラマン。美しい人が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ写真。雑誌、WEBなど各メディアで活動中。趣味は美味しい料理を作って食べること。子供写真スタジオ「アトリーチェ」の経営もしております。
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