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ウクライナの郷土料理を動画で発信 元料理店オーナー・TAKANEさん 根底に亡き父・江副さんの教え:東京新聞 ... - 東京新聞

動画撮影に臨むTAKANEさん(右)とスタッフのウクライナ避難民=港区で

動画撮影に臨むTAKANEさん(右)とスタッフのウクライナ避難民=港区で

 ウクライナ避難民に働く場を提供し、9月末で閉店した西新橋のウクライナ料理店「スマチノーゴ」。元オーナーで、アーティストのTAKANE(本名・江副敬子(えぞえたかね))さんは、店で育まれたスタッフ同士や常連客との絆を保ちたいと、今月からウクライナの郷土料理を発信するユーチューブチャンネルを始めた。支援を続ける胸には亡き父の教えが息づいていると話す。

TAKANEさん(右)と父の江副浩正さん(TAKANEさん提供)

TAKANEさん(右)と父の江副浩正さん(TAKANEさん提供)

 2022年2月、ロシアがウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始し、戦争が始まった。戦禍を逃れて日本に避難してきた避難民が生活に困っていると知り、支援したいという気持ちが湧き上がった。欧州で10年以上生活していたことに加え、「『いつも世のため、人のために生きろ』という父の教えが根底にあった」。父とは、リクルート創業者の江副浩正さん=13年に死去=のことだ。

スマートフォンに保存されている浩正さんの写真

スマートフォンに保存されている浩正さんの写真

 浩正さんは1960年に東京大を卒業後、リクルート前身の「大学新聞広告社」を創業。就職情報誌「リクルートブック」を創刊するなどし、会社を成長させた。71年に返済不要の奨学金制度を創設して社会貢献にも力を入れ、88年に発覚した汚職事件「リクルート事件」で一線を退いた後も、学問や芸術、スポーツなどの分野で支援を続けた。

 次女のTAKANEさんは幼少期から家庭のほか、父の仕事場や出張先に同行した際に社会貢献の重要性や経営哲学を諭された。「やったことがないことに挑戦することに価値がある」「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」-。自宅への来客時にも同席して酒のつぎ方や料理の取り分け方などを教わり、人の気持ちが分かる感性やおもてなしの心を学んだ。

 昨年9月に初めて飲食店を開業。店がにぎわうようになった後、父から「君はもてなし上手だから、店をやっても人気が出るだろう」と言われていたことを思い出した。人手不足などで閉店したが、約2カ月を経てユーチューブチャンネル「スマチノーゴの料理教室」を始めた。紹介するのは、元スタッフらが店のメニューとして提供してきた心温まる祖国の手料理だ。

◆クリスマスレシピも

アップされている「リンゴのピロシキ」

アップされている「リンゴのピロシキ」

 11月下旬、ウクライナと日本の国旗の色を基調としたスマチノーゴの元店内で収録が行われた。リンゴやバターの甘い香りが漂うと、スタッフらが「またスマチノーゴの仲間と集えてうれしい」などと顔をほころばせる。制作を担ったTAKANEさんは「家族や親密な人たちと食べられてきたウクライナのクリスマス料理を、ぜひご家庭で味わってほしい」と話した。

 長引く戦況で、日本ではまだ2千人余りの避難民が暮らす。「動画を見て、思いを寄せてもらうことも支援につながる。皆さんが周囲にいるウクライナの人たちに手を差し伸べるきっかけになれば」。配信は来夏ごろまで続けるつもりで、「それまでに終戦の兆しが見えてほしい」と願う。

22日から紹介予定の「リンゴのタルト」

22日から紹介予定の「リンゴのタルト」

 同チャンネルには、初回「リンゴのピロシキ」がアップされており、22日には第2弾「リンゴのタルト」が公開される。

 文・奥村圭吾/写真・木戸佑

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