
企業や役所の不正を内部告発した人を不利益な扱いから守る公益通報者保護法の改正を巡り、自民党が提言をまとめた。内部通報窓口の担当者や役員に罰則付きの守秘義務を課し、現役の労働者のみになっている保護対象の通報者に退職者や役員を追加。従業員・職員300人以上の企業・自治体に内部通報体制の整備を義務付ける。
政府は3月にも国会に改正案を提出する方針。保護法は2006年4月に施行され、大手企業や行政機関に通報窓口が設置されたが、通報した人が報復人事で閑職に追いやられたり、解雇されたりする例が後を絶たず、制度の機能不全が露呈。改正を求める声が上がっていた。
提言で、罰則付きの守秘義務は「一歩前進」と評価できる。しかし行政機関の助言、指導、勧告といった行政措置や、それに従わない企業名を公表するなどのペナルティーは盛り込まれず、通報経験者の多くが訴えている違反企業などへの刑事罰導入も見送りとなった。このまま改正案が成立しても、不利益扱いにどこまで歯止めをかけることができるか、甚だ疑問だ。
現在の公益通報制度は企業などの自浄力を前提にしており、不正の通報先としてまず勤め先を挙げる。行政機関やメディアなど外部に伝えることもできるが、勤め先が証拠を隠滅したり解雇されたりする恐れがあるなど、格段に厳しい条件がある。
不正の通報を受けた勤め先が調査に乗り出さず、配置転換や解雇などで通報者に報復したケースはいくつもある。精密機器大手のオリンパスは典型だ。
営業畑の男性は上司が取引先の社員を引き抜こうとしていると知り、07年6月に社内のコンプライアンス室に相談したが、男性の名前や通報内容は上司に知らされ、4カ月後に営業から外された。配転の無効確認などを求め最高裁まで争い、12年6月に勝訴が確定した。
しかし冷遇は変わらず、3カ月後に損害賠償などを求め再び提訴。16年2月、オリンパス側が改善の取り組みが不十分だったと認め、解決金1100万円を支払うという実質勝訴の内容で和解が成立した。訴訟に費やした労力は計り知れない。
内閣府消費者委員会の専門調査会は18年12月の報告書で指導や勧告などの行政措置導入と企業名公表の必要性を指摘したが、自民提言は「通報者の負担軽減や不利益取り扱いの是正に向けた取り組みを進める」と述べるにとどめ、大きく後退している。経済界の意向を受けてのことだろう。今回の改正が罰則付きの守秘義務導入と通報者の範囲拡大にとどまるなら、政府が放置してきた通報制度の機能回復は望めない。
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February 28, 2020 at 04:22AM
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