
キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)は2日、何十年も非公開にしていた第2次世界大戦中の教皇ピウス12世時代の資料公開を、研究者に対して開始した。ピウス12世は、ナチス・ドイツによるホロコースト(大虐殺)に目を閉ざしていたと批判されている。
ピウス12世は1939~1958年に在位していた。ナチス・ドイツがユダヤ教徒を殺害していたことを知りながら対策を講じなかったとして、「ヒトラーの教皇」と呼ばれることもある。
しかしヴァチカンによると、ピウス12世は実際にはユダヤ教徒を救うために密かに動いていたのだという。
今回公開された文書について、多くの研究者が調査に取り組む見通し。
現職のフランシスコ教皇は1年前、カトリック教会の中で特に批判されることの多いピウス12世について、資料公開を決定した。
教皇はこの時、教皇庁を研究する専門家たちに、「教会は歴史を恐れていない」と述べた。
フランシスコ教皇は、ピウス12世の時代は「きわめて困難な出来事が続いた時代で、人として、そして教会として何が賢明なのか、実に苦しい決断が迫られていた。その決断を、消極的で寡黙だと受け止めた人もいたかもしれない」と話していた。
ヴァチカンの公式ウェブサイトによると、公開される文書は膨大だが、その多くはデジタル化されている。
教皇庁文書庫の責任者、セルジオ・パガーノ司教は、第2次世界大戦中の文書は数百万ページに及び、テーマごとに121項目に分類されていると説明した。
ロイター通信によると、文書庫の閲覧室は向こう1年にわたり予約でいっぱいだという。米ワシントンのホロコースト記念博物館の研究者や、独ミュンスター大学の歴史家フーベルト・ヴォルフ教授、ピウス12世を専門とする研究家などがこの文書の調査を行うという。
ローマで取材するBBCのマーク・ロウエン記者によると、この問題をめぐる議論が、ピウス12世の列聖が遅れている原因と考えられている。
ヴォルフ教授もAFP通信の取材で、「ピウス12世がユダヤ教徒殺害を知っていたことは疑いようがない」と述べている。
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第2次世界大戦中、カトリック教会の介入によって数千人のユダヤ人が虐殺を免れた。このことは、イスラエルのヤド・ヴァシェム(ホロコースト追悼記念館)も認めている。
しかしこうした支援には危険がつき物で、場当たり的だった。約600万人ものユダヤ教徒を殺害するなど、ナチス・ドイツによる数々の犯罪の規模には、カトリック教会の対応は到底追いつかなかった。
後にピウス12世となるエウジェニオ・パチェッリ枢機卿は1920年代、ヴァチカン大使としてドイツへ赴任した際、ナチズムの台頭を目の当たりにしていた。
また、イエズス会がピウス12世にナチスの強制収容所について情報を提供した文書が残っているが、ピウス12世の返答については、歴史学者も見たことがないという。
ヴォルフ教授は、当時の教皇庁が各国に派遣した大使たちが、ピウス12世に送った書簡をぜひ見たいと話している。
研究者らは、終戦直後のヴァチカンの役割にも注目している。この当時、西側諸国は冷戦を見据えて、カトリック教会を共産主義に対抗する重要な同盟相手とみていた。
一方で、カトリック関係者の一部がナチスの戦犯を南米に逃がしたとされる悪名高い逃走経路「ラットライン」についても、数多くの疑問が残されている。
ヴァチカンはウェブサイトで、ピウス12世は「戦犯や農家、鉱山労働者、スポーツマン、ジャーナリスト、スポーツ心理学者、医師、アーティスト、宇宙飛行士など」さまざまな人物と対面しており、公開された文書から数々の会談の内容が明らかになると述べている。
(英語記事 Vatican opens archives of Holocaust-era Pope)
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March 03, 2020 at 07:44PM
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