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全国初、明治の地方紙をネット公開 県文書館 - 中日新聞

県文書館がインターネット上で無料公開した「福井新報」の画像=県庁で

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 県文書館は九日、全国で初めて明治時代の地方紙をインターネットで無料公開すると発表した。一八八二(明治十五)年から九一年にかけての「福井新報」など千八百日分(画像七千二百枚)で、著作権が切れているため文化庁に申請し公開に踏み切った。担当職員は「明治の地方史を知る基礎資料。今後、他県にも公開の動きが広がれば」と期待する。

 公開するのは、明治十四〜二十二年に県内の企業家や旧福井藩士が発行した「福井新聞(第一次)」(福井新報に改題)の一部と、明治二十二年から二十四年に県内の政治家・中島又五郎が発行した「福井新聞(第二次)」の一部。県史編さんのために入手し、同館で保管していた画像を公開する。

 記事は政治経済から世相を表すニュースまでさまざま。九日の会見で、杉本達治知事は「外出が難しいこんな時期だから、皆さんに知ってほしい。古い新聞は世相が知られて面白い」と語った。同館の長野栄俊主任は「中高生でも興味を持って読んでもらえるのでは」と紹介した。

 例えば、明治十九年九月十九日付の福井新聞(第一次)にはコレラ(虎烈剌)の大流行を受けた論説が掲載されている。死者三千二百人余りに上ると伝え、食事の取り方など予防策の必要性が論じられている。

 県文書館によると、過去の新聞のインターネット公開は国内で進んでいない。全国紙のデータベースでの公開は有料で、地方紙では高知市の図書館で数カ月分が公開されているのみだという。今回、著作権不明者の文化庁裁定制度に申請して公開に踏み切った。

 長野主任は「海外では著作権の切れた多くの新聞がネット上で公開されている。過去の新聞は、時代を知る上での重要な基礎資料。誰でもどこからでも見られたらいい。われわれとしてはモデルをつくりたかった。他県も続いてくれたら」と期待を込めた。

 日本近現代史を専門とする金沢大の能川泰治教授は「公開した時期は、日本が本格的な近代国家に変わる重要な時期。庶民の暮らしや思いを知る貴重な手掛かりとなる」、上智大新聞学科の柴野京子准教授は「地方紙には全国紙とは異なる重要な情報が掲載されていることがある。公文書館主体で公開した意義は極めて大きい」と評価した。

 新聞は県文書館のホームページ(「デジタルアーカイブ福井」で検索)で公開。詳細検索の検索条件で「新聞」を選択し、添付ファイル種別で「画像あり」を選ぶと、画像を見ることができる。(問)同館=0776(33)8890

 (藤共生)

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April 10, 2020 at 03:13AM
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