米国税関国境保護局(CBP)は4月19日、米国での新型コロナウイルスの感染拡大の影響で金銭的に困難な状況にある輸入者のため、輸入関税などの支払いに4月20日から90日間の猶予を与えるとした。
CBPが発表した「貨物システムメッセージサービス」(CSMS)によると、この支払い猶予措置の対象となるのは、2020年3月または4月に発生した消費のための輸入、もしくは外国貿易地域〔FTZ(注1)〕を含めた倉庫からの輸入製品の引き渡し(出庫)だ。既に支払い済みの関税、諸税および輸入手数料の返金はされない。
また、以下の関税は支払い猶予の対象外となる。
・アンチダンピング関税
・相殺関税
・1962年通商拡大法232条に基づく関税(注2)
・1974年通商法201条に基づく関税(注3)
・1974年通商法301条に基づく関税(注4)
なお、支払い猶予期間中には、支払い延期にかかる利息、罰則、損害賠償またはその他の制裁措置は発生しない。ただし、CBPに対するその他の債務の支払い期限は猶予されない。
金銭的に困難な状況にある輸入者とは、新型コロナウイルス感染症のため政府が商業、旅行、集会を規制したことにより、2020年3月または4月に事業の全部または一部が中断され、2020年3月13日から31日までの総収入または2020年4月の総収入が前年同期比で60%以下になった者とされる。支払い猶予を受けるためにCBPに書類を提出する必要はないが、猶予措置の適用基準を満たすことを示す書類は保有しなければならない。また、CBPは将来、当該書類を確認する可能性がある。
CBPは、3月20~26日の間にも同様に輸入関税などの支払猶予の申請を受け付けていたが、1週間もたたずに受付を終了した経緯がある(2020年3月26日記事参照)。CBPは追加・変更情報について「CSMS 」の情報や当局のウェブサイトを注視するよう勧めている。
(注1)FTZ:外国貿易地域(Foreign Trade Zone)とは、CBPが承認した通関規制や関税に対する優遇措置が与えられる地域を指す。
(注2)現時点では、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入に対する追加関税。
(注3)現時点では、太陽光セル・パネルおよび洗濯機・その部分品の輸入に対する追加関税。
(注4)現時点では特定の中国原産品、ならびにEU原産品の輸入に対する追加関税。
(注5)その他、CBPウェブサイトのFAQはこちら
(サチエ・ヴァメーレン)
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April 22, 2020 at 12:47PM
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