上位チームを大いに苦しめた。J1アルビレックス新潟は7日、ホームで前節3位の神戸に0-1で競り負けたが、シュート数は相手を3倍も上回る15本。FW谷口は今季最多6本を数えた。松橋監督は「1点が遠かったけど、ゴールの方向に気持ちを込めて打つシーンがあった」と悲観はしなかった。

ここ最近は見られなかった「疑似カウンター」も放つことができた。前半22分、自陣ゴール前でGK小島を交えてパスをつなぎ、DF渡辺が相手のプレスを回避してMF星に縦パスを送った。相手を極限まで自陣に引きつけたことで中盤には広大なスペース。そこでフリーになっていた星がMF三戸につなぎ、三戸は一気に持ち上がって右足でミドルシュートを放った。渡辺の縦パスからわずか10秒。最後のシュートは相手GKに防がれたが、流れるような「速攻」だった。

開幕当初、MF伊藤を中心に効果的だった攻撃パターンの1つ。相手に対策されるようになって鳴りを潜めていたが、そのエースがベルギー1部シントトロイデンに移籍しても、20歳の三戸を中心にやれることをあらためて示した。

松橋監督は「甘いかもしれないけど、本当に勝利に近づく可能性の高いゲームをしてくれた」と言った。けがで離脱していたFW太田も復帰。一発勝負のトーナメントとは違い、リーグ戦には今後につながる「勝ち点0」がある。

【石川秀和】