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万能調味料「料理酒オイル」を作ってみたら、いつもの料理が見違えるようなうまさになった - メシ通 - メシ通

「料理酒オイル」をご存じですか

クック井上さんという料理家がいます。

個性的すぎる真っ赤なメガネをかけて、話も上手で、料理の説明の最中にもちょいちょい笑いを混ぜてくる。芸人みたいだなと思ったら実は本物の芸人さんなのだと知ったときは驚きました。

クックさんは「料理芸人」という新しいジャンルのパイオニアで、面白いとおいしいを両立させている方なんです。そして、クックさんが考えたとある調味料が僕のまわりで評判になっていると耳にしました。

その調味料の名前は「料理酒オイル」です。レシピは料理酒と油を混ぜるだけです。どうやって作るのか見ていきましょう。

今回の記事で紹介したレシピなどはクック井上さんの新刊『魔法の万能調味料 料理酒オイル』(ダイヤモンド社)に掲載されたものを使用しています。

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料理酒オイルの作り方

材料(容器1本分)

  • 料理酒 200ml
  • サラダ油 50ml ※キャノーラ油、コーン油、米油など、くせのない油がオススメ

まずは料理酒を200ml用意します。こちらは必ず料理酒を使ってください。「料理に使うなら純米酒などいいお酒の方がいいのでは?」という疑問が湧きますが、理由は後ほど説明します。

次に油を50ml計量して先ほどの料理酒と合わせます。

ポイントは、料理酒と油を4:1の比率にすること。

こちらは、サラダ油や米油などクセの少ないものを使うとどんな料理にも合います。米油は安いものから高いものまでありますが、わが家では大容量でお手頃価格のものを使っています。

その2つをドレッシング容器などに入れます。当たり前のように酒と油が分離していますが、使用する際は容器を振ってから使うので問題ありません。その際は容器のふたを指でしっかりと押さえる必要があります。

料理酒オイルはこれで完成です。早い。早速これを使って料理を作ってみましょう。

ハンバーグの調理に使ってみる

まずはハンバーグ調理に料理酒オイルを使ってみましょう。

もちろんハンバーグの材料は皆さんのいつものレシピで大丈夫です。

料理酒オイルの入った容器を10回ほど振ってから、ハンバーグ用のひき肉に回しかけます。

しっかりと撹拌(かくはん)された料理酒オイルは、乳化して白くなっているのがわかります。これをたらりとひと回し〜ふた回しほどかけます。これでお肉に魔法がかかりました。

最初は塩と料理酒オイルだけでしっかりとこねます。

粘り気が出たら、粗みじん切りにした玉ねぎ、パン粉、卵、ナツメグ、ケチャップ、とんかつソースを入れて、よく混ぜます。

こんな感じですね。料理酒オイルのおかげで混ぜやすいです。ただ、水分が入っているのでいつも作っているものよりは「ちょっとゆるいかな」という感じ。でも、まあギリギリ大丈夫かな、というラインです。

4等分してタネを作ったら、油を引いたフライパンで焼いていきます。やはりいつもより少しゆるいと感じたので、フライパンにそっと置いたら、ふたをして強めの中火で両面を2分ずつ焼きます。

ふたを開けたらハンバーグをもう一度ひっくり返して、水(120ml程度)を入れて、再びふたをして加熱。出来上がった後に水分が残っていたら、ふたを開けて飛ばしてください。

ハンバーグを取り出した後のフライパンにはお肉のうま味がたくさん残っていますから、こちらでソースを作ります。今日は赤ワインとケチャップとウスターソースを使ったシンプルなソースにしました。

こんな感じの仕上がりです。ふたをして焼いたので中までしっかりと火が通っていました。生焼けが心配だという方は温度計などを使って測るといいでしょう。見た目はかなり普通のハンバーグに見えますが、実際に持ち上げたときは、「かなりふわっとした感じ」が伝わってきました。この感触は期待できます。

ということで実食。フォークとナイフで切り分けた断面から滴り落ちる肉汁を見てください。とにかくジューシーな仕上がりになったことがわかります。味はもちろん最高です。ベタなうえに芸がない言い回しで恐縮ですが、「お店のような味」と表現させてください。

自宅でハンバーグを作るときに、妙にパサついた食感になることがあります。これは肉汁があふれ出てしまったり、あるいは水分が少なかったりといった原因が考えられます。これを解決するために、「ハンバーグのタネを成形するときに氷を入れる」という手法がはやりました。

たしかに、ナイフを入れた瞬間に肉汁があふれる、ジューシーなハンバーグに仕上がるのですが、味が薄まるような気がするし、あふれ出る肉汁のみに主眼が置かれていて、お肉本来のうまさに特化していないような気がしたんです。

でも、この料理酒オイルを使ったハンバーグはジューシーさがたっぷり味わえるうえに、お肉自体にうま味が追加されています。さらに酒のアルコール分が蒸発する際に、お肉の臭みを消してくれるといった効能まで。

ハンバーグというのは、どうしたっておいしい料理ではありますが、まるでお店のような味に仕上げるのは至難のわざ。この料理酒オイルを入れることで、ワンランク上の味わいになったことをここに記します。おいしかった。

さて、料理酒オイルの実力をおわかりいただけたところで、最初に感じた疑問を解決します。ひと手間でこんなにおいしくなるのなら、いい日本酒を使ったらもっとおいしくなるのでは、ということです。

クックさんによれば、料理酒のいいところは、最初から塩分や糖類が添加されていること。いい日本酒でもできますが、その際は塩分やうま味調味料を添加する必要があるのだとか。それじゃなくてもお高い日本酒にそんな手間を加えるくらいなら最初から料理酒を使ったら、ということです。いい日本酒はそのままいただいた方がみんな幸せでしょう。

唐揚げの調理に料理酒オイルを使ってみる

ということでお次は唐揚げを作ります。こちらも材料は皆さんがいつも作っている分量でかまいません。

ぶつ切りにした鶏もも肉をフォークなどでグサグサ刺して穴を開けます。

食品用ポリ袋などに料理酒オイルを適量入れて、鶏もも肉を一緒にもみ込みます。だいたいの目分量でいいですが、鶏もも肉1枚に対して料理酒オイルは大さじ1杯くらいを目安にするといいでしょう。このまま1分ほど放置。

次にお好みの唐揚げ用の調味料をすべて入れて、さらにもみ込みます。わかりやすくするために、ボウルで作業しましたが、ポリ袋のまま作業して大丈夫です。混ぜ合わせたら15分ほど置いて味をなじませます。

よく水気を切ったら、片栗粉をまんべんなくつけます。粉をしっかりとつけたら、軽くはたきましょう。

鶏もも肉に粉をまぶしたら、皮目を下にして、170度ほどの油に入れて2分揚げます。2分後に、ひっくり返したら、そこからさらに2分。最後にもう一度ひっくり返して、少しだけ温度を上げて1分揚げたら完成です。

唐揚げの完成です。もう少し茶色く仕上げてもいいのですが、私はこれくらいの色味が好みです。さあ、いただきましょう。ハンバーグもそうですが、よほどの失敗をしない限りおいしく仕上がるのが唐揚げという料理の魅力ですが、さて料理酒オイルはどんな仕事をしてくれたのでしょう。

あえて小さめの唐揚げを食べてみました。

ひと口目から、ふっくらとした口当たりが印象に残りました。大した鶏もも肉を使ってはいないので、期待はしていなかったのですが、これはうまい。そもそもいい鶏もも肉を使って唐揚げを作ることは、わが家ではありません。

まとめ買いして、冷凍した鶏もも肉を使って作ることがほとんど。みんな大好きだけれど、最高のごちそうという感じもない。普段使いのごちそうといいましょうか。だからこそ、おいしい唐揚げが家で食べられたらなあと思ったことがありました。それが家でかないました。

料理酒オイルを使った唐揚げが、なぜおいしくなったのでしょう。

大きな理由は、料理酒オイルを入れることで、鶏もも肉が柔らかくなり、味が入りやすくなったからです。だから最初に料理酒オイルだけでもみ込んだんですね。そして、アルコール分が蒸発する際にスチームとなって鶏もも肉を柔らかく仕上げてくれます。料理酒オイルは、かみ締めた瞬間のジュワッとした食感にも一役買っています。

いつもは面倒だからと、日本酒と下味となる調味料をまとめて鶏もも肉と合わせていました。でも、たったこのひと手間で味がぐんとよくなるんですね。これは覚えておいて損はない情報だと思います。

【おまけ】料理酒オイルを使ってごはんを炊いてみよう

せっかくおかずを作ったのですから、それと合わせるためのごはんを炊いてみました。料理酒オイルは一度作ったら、しばらく日持ちするので重宝します。ということで、炊飯時にたらりとひと回し入れてみました。

これが驚きのうまさでした。いつも食べていたごはんが、さらにつやっぽく、みずみずしく仕上がったんです。少量しか入れていませんので、酒の風味はしっかりと飛んでいますし、料理酒オイルによるうまさとコクも加わっています。普通に出されたら、すごくおいしいお米を使ったごはんだと勘違いすることでしょう。

料理酒オイルの素晴らしい点は、いつもの料理にたったひと手間加えるだけということです。珍しいスパイスも、低温調理も、1日寝かせる必要もありません。だけど、ちょっと使うだけで、あっという間にワンランク上の味になる。これは試さない手はないでしょう。

クックさんの新刊には他にも驚きのレシピがたくさん掲載されていますので、よかったら書籍も手に取ってみてください。

書いた人:キンマサタカ

キンマサタカ

編集者・ライター。パンダ舎という会社で本を作っています。 『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」という連載もやっています。好きな女性のタイプは人見知り。好きな酒はレモンサワー。パンダとカレーが大好き。近刊『だってぼくには嵐がいるから』(カンゼン)

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