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新「一太郎2020」の文書作成に便利な新機能5選+1 - 週刊アスキー

 2月7日、「一太郎2020」が発売された。初代の発売から35周年を迎えており、特別な35周年記念版もリリース。多数の新機能を搭載したり、既存機能の強化が施されている。今回は、最強の日本語文書作成ソフト「一太郎2020」に新たに搭載された便利機能をまとめて紹介しよう。

一太郎の登場から35周年を迎え、「一太郎2020」が発売された

【新機能・便利機能 その1】
スマホで撮影した画像の文字をテキスト化して取り込める

 「一太郎2020」の新機能で最もユニークなのが、「一太郎Pad」アプリ。スマホやタブレットと連携し、シームレスな文書作成ができるのが特徴だ。

 「一太郎Pad」は一言で言えば、カメラとOCR機能を備えたメモアプリとなる。年賀状などのはがきや博物館などの説明パネル、看板、旅先で見つけた歌碑まで撮影し、テキスト化してくれるのだ。そのデータはQRコードとWi-Fiを利用して、一太郎に即取り込める。新しい技術というわけではないのだが、同じアプリでシームレスに操作できるのが便利だ。

 まずは「一太郎2020」の「ファイル」メニューから「一太郎Pad」を開き、画面に従ってスマホアプリをインストールしたりセットアップを行なう。

 スマホで「一太郎Pad」を起動し、カメラアイコンから「カメラ」をタップ。カメラが起動するので、書類やパネルを撮影し、認識したい領域を指定すれば、即テキスト化される。

 きちんと写真が撮れていれば、テキスト化の精度は高い。試しに、本連載を印刷して取り込んだところ、100%認識した。他に博物館のパネルなどを取り込んだが、ピンボケしたり、斜めから撮って台形になっていなければ問題なく認識できる。ただし、㍑といった組文字は認識できず、写真の解像度が足りないと、「樽」が「様」や「博」などに誤認識されることもあった。

 とはいえ、精度の高さは、ワープロソフトのおまけアプリというレベルではなく、OCRソフトとして利用できるほど。最近はメモ代わりにスマホで撮影することも増えてきたが、その中のテキストをデータ化できるのはありがたいところだ。

「一太郎2020」の「ファイル」メニューから「一太郎Pad」を開いてセットアップを行なう
「一太郎Pad」のカメラアイコンをタップ
紙資料を撮影する。画面は2017年の本連載を印刷したもの
取り込みたいテキスト部分を選択し、「完了」をタップする
数秒でテキスト化される。精度はばっちりだ

 写真からのテキスト起こしだけでなく、手動入力も可能。外出先で、プレゼン資料の下書きをしたり、趣味の小説を書き進めるといったことも可能。オフィスや自宅に帰れば、すぐに一太郎2020に取り込める。「省入力ツール」も搭載しており、「タイムスタンプ」やカギ括弧、三点リーダー、ダッシュなど、標準の日本語入力機能では面倒な文字をワンタップで挿入できるのが便利だ。

テキストだけのメモも作成できる。「省入力ツール」で現在時刻もワンタップで挿入できる

 「一太郎Pad」から「一太郎2020」に取り込むには、「ファイル」メニューから「一太郎Pad」をクリックし、「Padビューア」を起動する。初回は、QRコードを表示して、「一太郎Pad」で撮影して接続する。その後は、メニューから選択するだけで、Wi-Fi経由でデータを同期できる。

 テキストを選択した状態で「挿入」をクリックすると、一太郎にテキストがコピーされ、編集が可能になる。

PCの画面にQRコードを表示し、「一太郎Pad」で接続する
「Padビューア」にデータが取り込まれる
「挿入」をクリックすると、開いている一太郎文書にテキストが挿入される

【新機能・便利機能 その2】
文節で改行して読みやすさを向上させる

 文書が完成し、印刷する時には、ぜひ読み手に気を配って欲しい。まずチェックしたいのが改行部分。原稿を書いている時は気にならないが、通常の入力モードだと指定した文字数できっちり改行してしまう。そのため、単語の途中で改行されることも多い。

 そこでオススメなのが「文節改行」機能。文節を判別して、適切なところで改行してくれるのだ。「編集」メニューから「補助」→「文節改行」→「設定」をクリックすると、すぐに文節で改行される。再度編集する際などは、「文節改行」→「解除」をクリックすれば、元の状態に戻る。

 1行の文字数が少なかったり、囲まれてレイアウトされた部分の文章に適用するとぐっと見やすくなる。メールの文面にも適しているかもしれない。ただ、論文のような長文だと文字数がばらばらになって、やや見にくくなるということもあった。文書の種類によって、使い分けると便利そうだ。

「編集」メニューから「補助」→「文節改行」→「設定」をクリックする
文節改行が適用された

【新機能・便利機能 その3】
公文書や法律文書に記載する地名の表記ルールの校正に対応

 一太郎は元から強力な文書校正機能が搭載されており、ユーザーが作った文章をチェックしてくれる。「一太郎2020」では、新たに政令指定都市や県庁所在地などを記載する際のルールに対応した。

 公文書や法律文書では、政令指定都市や県庁所在地の都道府県名は省略することになっているためだ。たとえば、「神奈川県横浜市」は「横浜市」とだけ表記するのが基本となっている。

 この校正を利用するには、「ツール」メニューから「文書校正」→「文書校正の設定」を開き、利用する校正の設定を選択し、「編集」をクリック。「用語基準」タブの「都道府県名」にチェックを入れ、有効にしたいルールにチェックを入れればいい。これで、文書校正を実行すると、都道府県名が省略されていない、と指摘が入るようになる。

「用語基準」タブで有効にしたいルールにチェックを付ける
指摘が入ったら「置換」を押し、都道府県名を削除する

【新機能・便利機能 その4】
(株)などの法人の略語もチェックして表記を統一可能

 株式会社を(株)や(株)、㈱と表記することがあるが、同じ文書内で書き方が異なると読みにくい。きちんとした文書なら表記揺れをなくしておきたいところ。

 「一太郎2020」では、文書校正設定のルールに法人表記のルールを設定できるようになっている。「文書校正の設定」画面から「用語基準」タブを開き、「法人等略語」のプルダウンメニューから「漢字略語」を選択すればいい。これで、文書構成時に、(株)と㈱が混在したりしていると、指摘してくれるようになる。

法人略語を囲む。文書校正の設定画面で、「法人等略語」で「漢字略語」を選択する
法人表記が揺れている場合に、指摘してくれる

【新機能・便利機能 その5】
書いた文章を読み直すときに便利なハイライト表示機能

 書いた文章はきちんと読み直して、変なところを修正すべき。しかし、ディスプレーを見て書いている文章を同じ環境で見てもなかなかミスは見つけられないもの。ライターの中には、今でも紙に印刷して読み直しをしている人もいる。

 筆者はディスプレー上で見直しをしているが、「一太郎2020」には、そんな時に役立つ機能が搭載された。「表示」メニューから「表示切り替え」→「ハイライト表示」をクリックするとカーソル行がハイライト表示され、前後3行がグレーで上塗りされて見えなくなるのだ。

 自分で書いた文章だとどうしても斜め読みしてしまうのだが、強制的に1行ずつしか読めないので、誤字脱字を見つけやすくなる。ただ、ちょっと違和感があるので、筆者としては設定で全体をグレー表示にした上、半透明にするようにカスタマイズしている。

「表示」メニューから「表示切り替え」→「ハイライト表示」をクリックする
カーソル行がハイライト表示される
「ハイライト詳細設定」で、色やカバー範囲、半透明などを設定できる
半透明にして、全体をカバーする設定にしてみた

【新機能・便利機能 その6】
ATOKは変換がより賢くなった

 「一太郎2020」には日本語入力システム「ATOK for Windows 一太郎2020 Limited」が搭載されている。筆者としてはこちらも大いに期待していたのだが、特に大きな新機能は搭載されず、いくつかの変換機能が改善されるにとどまった。

 たとえば、「ご連絡ありがとうございます。(株)レベリングの柳谷です」という文章を何度か入力していると、この文章がまるごと変換候補に出てくるようなった。メールの書き出しや結びの一文で同じ文章を入力していると、そのうち候補を選択するだけで済むようになり、時短入力ができるようになる。わざわざ単語や文章の登録をしなくても利用できるのが便利だ。

メールの書き出しの文章が推測候補で表示されるようになった

 類似後を提案してくれる連想変換機能も強化されている。文章の入力中に連想できる他の表現を提案してくれることがある。また、Ctrl+Tabキーを押して呼び出す連想変換辞書で調べられる言葉は2倍に増えている。

 文章を書いたはいいが表現を変えたい、というときにヒントをもらえるのでとても助かる機能。長文を書くことが多いなら、ぜひ活用したい機能だ。

連想変換できる言葉が2倍に増えている

 以上が、一太郎2020の文書作成に便利な新機能5選+新ATOKのポイントとなる。最強のワープロソフトである「一太郎2020」の便利さは健在。価格はダウンロード版ならお手頃。一太郎を持っている人ならバージョンアップ版が6600円、ジャストシステム製品もしくはMS Office製品を持っているなら8140円となっている。

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。

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