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死海文書、羊皮紙のDNA分析に成功、解読の新たな鍵に - ナショナル ジオグラフィック日本版

2000年前の羊皮紙の破片から動物のDNAが抽出された。写真はヘブライ語聖書イザヤ書の一部。(PHOTOGRAPH COURTESY SHAI HALEVI, THE ISRAEL ANTIQUITIES AUTHORITY)

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 2万5000ピースの古代の「羊皮紙」からなる死海文書は、世界で最も手ごわいジグソーパズルの一つだ。研究者たちは何十年もの間、2000年前の断片をつなぎ合わせようと努力してきた。断片の大部分は1940〜1950年代、死海沿いのクムランと呼ばれる遺跡に点在する11の洞窟で発掘されたものだ。

 死海文書はヘレニズム・ローマ期、すなわち紀元前3世紀〜紀元1世紀に記されたとされ、聖書の文章だけでなく、さまざまな聖歌、祈りの言葉、啓示が含まれている。クムランは古代のユダヤ教の宗派であるエッセネ派の拠点だった。

 このたび、イスラエル、スウェーデン、米国の研究者からなるチームが、その羊皮紙に高度な遺伝子検査を行った結果を発表した。6月2日付で学術誌「Cell」に発表された論文によれば、少なくとも素材の一部はクムランの外からやって来た可能性が高いという。

 論文はさらに、当時のユダヤ人は後のユダヤ教徒やキリスト教徒に比べ、聖句の正確さをあまり気にしていなかったと示唆している。

ヨルダン川西岸地区、クムラン国立公園の崖の上にある第4洞窟は死海文書の「主脈」。約600の写本の断片が1万以上も発見されている。(PHOTOGRAPH BY PAOLO VERZONE, NAT GEO IMAGE COLLECTION )

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 しかし、研究者たちが何よりも興奮しているのは、途方に暮れるほど大量の断片を古代のDNAによって照合できる可能性があることだ。断片のなかには、わずかな文字しか記されていないものもある。

「どのようにつなぎ合わせるべきかわからない巻物の断片が数多くあります。間違った断片をつなぎ合わせれば、文書の解釈ががらりと変わってしまう恐れがあります」と、研究を率いたイスラエル、テルアビブ大学の遺伝学者オデッド・レチャビ氏は話す。

次ページ:新たなアプローチの研究が始まった

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