横浜市から生活保護を受給している男性が4月下旬、新型コロナウイルスに感染した疑いがあると病院で診断された後、バスを乗り継いで別の病院にPCR検査を受けに行ったと話していることが分かった。診断した病院の関係者によると、男性は車を持っておらず、区の生活保護担当者に相談したが「公共交通機関を使って」と言われたと話したという。
◆区側は否定
区は男性にどう伝えたかを明らかにしていないが、一般論として「検査は徒歩や自転車で行ってくださいと伝えている」として、公共交通機関を使うよう伝えた点は否定している。
病院関係者によると、男性は4月末ごろに発熱し、自宅近くの医療機関で受診を断られたため、4キロ近く歩いて病院を訪れた。38度台後半の熱があり、コンピューター断層撮影で肺炎像が認められたため、病院の医師は新型コロナを疑い、PCR検査が必要と判断。検査できる病院を予約した。
病院は、区の生活保護担当者に電話して男性の帰宅方法を相談したが「対応できない」と言われたため、病院職員が自宅に送り届けた。後日に病院職員が男性に確認すると、「歩くか公共交通機関を使って」と区の担当者に言われ、バスを乗り継いで検査を受けに行ったと話した。
◆結果は陰性
PCR検査の結果は幸い、陰性だったが、病院関係者は「陽性だったら感染を広げていたかもしれない。そもそも熱があるのに公共交通機関を使えというのはおかしい」と憤る。
区の生活保護担当の課長は取材に「検査を受けた受給者は何人かいるが、公共の乗り物を使うように指示したことはない」と話した。市は生活保護受給者の車保有を原則認めていない。
◆「柔軟な対応が必要」
生活保護に詳しい太田
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