
ポンペオ米国務長官は13日、中国が南シナ海で主張する領有権について「完全に不法だ」とする声明を発表した。同海域で「航行の自由」を唱えながらも当事国同士の領海権の論争では中立の立場を守るこれまでの方針を転換した。専門家の間には米国が、同海域で中国と対立する周辺国の漁業・エネルギー権益保護に向け強力な措置を取る可能性があるとの見方も出ており、米中間の緊張は一段と高まりそうだ。
一段と緊張の可能性
ポンペオ氏は声明で「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源について中国政府が主張する権利は、完全に不法であり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ。中国がこの海域で他国の漁業や炭化水素開発を妨害したり、そのような活動を一方的に行うことは全て不法だ」と断じた。
海洋覇権の争いの激化は貿易や技術、サイバーセキュリティーなどの問題や、新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となった責任は中国にあるとのトランプ大統領の主張をめぐる米中対立をさらに激化させる可能性がある。
米国は最近、中国が南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で強行した軍事演習に懸念を表明。国防総省は先週、演習を不法だと非難していた。
南シナ海の領有権をめぐっては、フィリピンが国連海洋法条約(UNCLOS)に基づいて提訴。2016年にハーグ仲裁裁判所は、中国が南シナ海に独自に設定した境界線「九段線」や歴史的権利に基づく同国の主張には国際法上の根拠がないとの裁定を下した。九段線は1947年に作成された地図上に引かれた9本の破線で、中国が領有権主張の根拠としている。問題の海域の約8割に広がり、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、台湾が一部主権を主張している。
仲裁裁判所はベトナムの沖合スプラトリー(南沙)諸島西側の「バンガード堆(たい)(万安灘)」やマレーシアが実効支配している東部ボルネオ島沖の南シナ海の「ルコニア礁」と呼ばれる岩礁付近における中国の主権主張を退けている。米国は今は仲裁裁判所の裁定に立場を合わせており、フィリピン沖スカボロー礁(黄岩島)や満潮時には水没するスプラトリー諸島のミスチーフ礁などについて「中国は主権を主張できない」とした。
北は中国から南のインドネシアまで広がる南シナ海は約360万平方キロメートルに及ぶ。中国は過去数年間、南シナ海で多くの人工島を造成、実効支配を強めてきた。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員で中国研究家のボニー・グレイザー氏は「今回の動きは、南シナ海で領有権を主張する他の国や地域が排他的経済水域(EEZ)内で漁業やエネルギー開発を行う権利を支援するために、米国がより強力な措置を講じる法的根拠となる」と指摘した。
「事実を無視」と反論
一方、中国外務省の趙立堅報道官は14日、米国の南シナ海をめぐる声明は事実を無視したものであり、米国は地域の安定を損ねるトラブルメーカーだと非難した。この上で、中国は今後も主権と安全を守ると強調した。米国が先週、台湾による米ロッキード・マーチン製地対空誘導弾パトリオット(PAC3)更新計画を承認したことも非難し、同社に制裁を科すと発表した。(ブルームバーグ Nick Wadhams)
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July 17, 2020 at 05:00AM
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