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閉鎖直前に焼かれた文書…大使館・領事館の特権と限界は - 朝日新聞デジタル

 米国と中国が自国内にある相手側の総領事館を閉鎖に追い込みました。7月終わりに米国が知的財産の保護を名目に、テキサス州の在ヒューストン中国総領事館を閉鎖させると、今度は中国が「正当な報復」として、四川省成都の米国総領事館を閉鎖させたのです。なぜこのような行為が許されるのでしょうか。そもそも、領事館や大使館といった在外公館とはどんな役割があるのでしょう。北海道大の児矢野マリ教授(国際法)に聞きました。

 ――大使館や領事館とは何のためにあるのでしょうか?

 「大使館は、国を代表して外国に駐在しながらその国の政府と交渉し、国全体の利益を守ります。また、相手国の情報収集や、相手国との友好・協力の推進も行います。相手国の同意を得て大使館のような在外公館を置いて、そこに代表者を送る国のことを『派遣国』、それを受け入れる相手国のことを『接受国』(せつじゅこく)と言います。国を代表する機関なので、接受国に1カ所、たいていは首都に置かれます。通常、そのトップは大使です。自国の元首の信任を得た上で接受国の元首に対して派遣される、という形をとります」

 ――そういえば新型コロナウイルスの問題のために、日本を含めた各国で大使になるはずの人が信任状を接受国の元首に手渡すことができず、「次期大使」のままになっていることがニュースになりました。領事館はどうですか?

 「大使館のような外交交渉は行わず、通商や商業上のことがらと、それにともなう派遣国の国民個人の利益を守る機関のことを領事機関と言います。総領事として派遣された人が館長の場合は総領事館、領事がトップの場合は領事館と呼びます。今回、米中で閉鎖された公館のトップは総領事だったということですね。領事機関の任務として、身近なものではパスポートの再発行やビザ発給がありますが、派遣国の国民が警察に捕まったり災害・テロに巻き込まれたりといった際には、現地の連絡窓口にもなります。ほかにも在留国民の出生・死亡・婚姻届の受理といった仕事も担います。領事機関は通常一定の管轄区域をもつので、派遣国は同じ接受国内に複数の領事機関を置く場合も多くあります。また、大使館が置かれた首都以外の主要都市に置かれることも多いですね。ただ、大使館の中に『領事部』がおかれ、そのような任務にあたることもあります」

 ――大使館で働く人も領事館で働く人も、みな外交官なのでしょうか?

 「外交官は外交の実務を担う人…

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August 17, 2020 at 12:00PM
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