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みなしごウォンバットを自宅で保護、ロックダウン下の豪州 - ナショナル ジオグラフィック日本版

生後6カ月のみなしごウォンバット、ランドンを抱えるエミリー・スモール氏。自身が設立したウォンバット養護施設へ通うのがロックダウンで困難になり、自宅アパートで赤ちゃん3匹を世話することにした。(PHOTOGRAPH BY DOUG GIMESY)

 ウォンバットは、ずんぐりした体の有袋類。オーストラリアでは、道路脇で見かけることも珍しくない。

 メルボルン在住のエミリー・スモール氏は、母親を亡くした子どもだったり、病気やケガをしているウォンバットを、自身が運営する養護施設で世話したのちに、野生に帰すことにしている。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウン(都市封鎖)が行われる中、スモール氏は3匹のみなしごウォンバットと、メルボルンの自宅アパートで一緒に生活することにした。

「赤ちゃんウォンバットといるのが楽しくないわけはないでしょう?」と彼女は言う。

カンガルーとウォンバットに注意するよう促す道路標識が、2019〜20年の大規模な山火事で燃えたビクトリア州バカン・サウスの木々の間に立っている。(PHOTOGRAPH BY DOUG GIMESY)

ビクトリア州環境局の森林・野生生物担当職員アビー・スミス氏(左)が、ロックダウン前の2月にスモール氏のウォンバット養護施設を訪れていた。(PHOTOGRAPH BY DOUG GIMESY)

 2002年、スモール氏は母親とともに、オーストラリア南東部ビクトリア州のイースト・ギプスランドに「グーンジェラ・ウォンバット養護施設」を設立した。毎年6〜8匹のウォンバットの子どもがやってくるが、その多くが母親を交通事故で亡くしている。

 スモール氏は、野生動物の救護と啓発を行う非営利団体「ワイルドライフ・ビクトリア」で働きながら、この養護施設の仕事をこなしている。だがロックダウンによって、メルボルンの自宅から450キロ離れた養護施設までの長距離移動が困難になった。そこで、寝室が1つしかない自宅アパートでウォンバットの世話をすることにしたのだ。

 ウォンバットはオーストラリアと周辺の島々に生息する穴居性の動物で、生まれたときの体長はわずか1.3センチメートルほど。有袋類だがカンガルーとは違い、母親のお腹の袋がお尻側に向かって開いているので、母親が穴を掘っている間も子どもの顔が土だらけになることはない。子どもは普通、少なくとも生後6カ月間は袋から顔すら出すことなく、その後もさらに3〜4カ月ほどは袋の中にいる。袋を出てからも1歳を過ぎる頃までは母親について歩く。

 無防備なウォンバットの赤ちゃんたちを世話するのは大変だと、スモール氏は言う。人間の子どもと同じで、四六時中目を離すことができない。そのうえパンデミックの影響で、必要な物資や人手を確保することが難しくなっている。(参考記事:「四角いうんちをする ウォンバットの秘密」

スモール氏の自宅アパートにて、お手製の「袋」の中で眠るランドンと、生後7カ月のブロンソン。他の有袋類同様、ウォンバットは未熟な状態で生まれ、生後6カ月ほどになるまでは母親の腹部にある袋から姿を見せない。(PHOTOGRAPH BY DOUG GIMESY)

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