「俺の天ぷらバル」の目玉メニューの一つ「U・NI・KU 〜和牛×雲丹×大葉」。和牛の肩ロースと大葉で層をつくったミルフィーユ風天ぷら(999円)
撮影:吉川慧、山﨑拓実
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など、高品質な食材を用いた料理をリーズナブルに楽しめるレストラン「俺の」シリーズ(全国30店舗)を展開する「俺の株式会社」が新業態に挑みます。8月19日にオープンする立ち食いスタイルの天ぷら店「俺の天ぷらバル」(東京・新橋)です。
新橋といえば、2011年9月に「俺の」シリーズの1号店「俺のイタリアン」(新橋本店)が誕生した土地。木場亮太社長は「創業10周年を迎え、“俺の”創業の地・新橋で最高のコストパフォーマンスによる美味しい料理とお酒を“立ち”で楽しめるお店を目指しました。私たちの原点回帰です」と意気込みを語ります。
Business Insider Japanではコロナ禍にあっても試行錯誤を続ける「俺の」の戦略について木場社長を取材。あわせて、全メニューを監修した遠藤雄二商品部長(「俺のフレンチ」総料理長)に「俺の天ぷらバル」の料理へのこだわりを聞きました。
「俺の天ぷらバル」は新橋駅SL広場から徒歩4分ほど。赤レンガ通り沿いに立地。
「俺の天ぷらバル」はJR新橋駅から徒歩4分ほど。
撮影:吉川慧
店内はコの字型のカウンター。調理風景を眺めながら食事ができるライブ感も魅力。
撮影:山﨑拓実
コンセプトは「高級な天ぷらをカジュアルに」
天然大海老(1尾480円)
撮影:山﨑拓実
海老や鱚、穴子といったスタンダードな素材から旬の食材、フレンチやイタリアンのアレンジを加えた創作天ぷらや「俺の」の強みである高級食材もリーズナブルな価格で提供します。
まるごと蝦夷アワビ(999円)。アワビを丸々天ぷらに。肝も一緒に。
撮影:山﨑拓実
野菜へのこだわりも強い。青果店や生産者と相談しながら、いま一番美味しい品種・ブランドを常に仕入れる。
新潟産の黒舞茸「真」(380円)。肉厚で食べごたえ満点。一口食べれば鼻から濃厚な舞茸の香りが楽しめる。
撮影:吉川慧
全メニューを監修した「俺のフレンチ」遠藤雄二総料理長は「俺の天ぷらバルには『俺の』シリーズの魅力が詰まっている」と話します。
商品開発担当で「俺のフレンチ」の遠藤雄二総料理長。フランス・リヨン郊外の3つ星レストラン「アラン・シャペル」などで修業。帰国後は「うかい亭」で調理主任を務めた。「俺の」創業メンバーの一人。
撮影:山﨑拓実
「『俺の』にはフレンチを担当する私のほかにもイタリアンや割烹など、さまざまなジャンルのトップシェフが在籍しています。料理人こそが私たちの強み。どんな素材が天ぷらに向いているか、この食材にはどんな調味料が合うか、どんな食べ方が美味しいかなど、いつも互いに相談しています」
「例えば、さつまいもは一度焼き芋にしてから天ぷらにしています。あらかじめデンプンが糖に変わる70〜80度の熱を入れてから揚げると、とても美味しく仕上がる。美味しく召し上がっていただけるよう、ちょっとした手仕事を惜しまないようにしています」
(遠藤総料理長)
天ぷら油の鍋は温度別に2つ用意。
撮影:山﨑拓実
カウンターの中央には揚げ油の鍋が2つ。温度はそれぞれ約170度と約180度で、素材に応じて使い分けます。
「通常、よく言われる天ぷらの揚げ油の温度は160〜170度。ただ、タネを入れたら温度は下がるので、揚げている時にベストな温度になるようにしています」
(遠藤総料理長)
使用する油は菜種の白絞油を100%使用。衣が薄く、口当たりが軽い天ぷらにするためさまざまな油を試したと遠藤総料理長は語ります。
「大豆油はコクがあり天丼用のような熱い衣に向いています。ただ、あまり油切れは良くなくない。ごま油は香りが良いのですが、お酒には合いにくい。天ぷらを飽きずに5〜6品ほど楽しんでもらえるよう、試行錯誤して菜種の白絞油に決めました」
「ただ、油の値段は半年前の2倍に高騰しています。それでも、油は最も天ぷらの味に影響が出てしまうのでこだわりました」
(遠藤総料理長)
とうもろこし「ゴールドラッシュ」(280円)。ザクザクとした食感とフレッシュでみずみずしい甘みが最高。
撮影:吉川慧
価格は天ぷら1品あたり180円〜999円。メイン価格帯は280円〜480円とリーズナブル。天ぷら以外に小鉢も用意。アルコールは天ぷらに合うスパークリングワインやワイン、サワー、日本酒をラインナップ。ワインはグラス・ボトルとも備えています。
一人でもサクッと気軽に天ぷらを楽しめるように席料、チャージ料は設けません。
「もしかしたら和食の料理人の方には怒られてしまうスタイルかもしれないですが……。それでも、品質も価格設定もめちゃくちゃ頑張りましたので、お客様に気軽に美味しい天ぷらを楽しんでいただければ嬉しいです。メニューもお客様の反応を随時伺いながら変化させていこうと思っています」(遠藤雄二総料理長)
「俺の株式会社」の木場亮太社長。「俺の」は創業以来、ミシュラン星付きなどの有名店で活躍したシェフの料理を高級店の3分の1の価格で提供し、フード原価率60%超えでも1日3回転以上させることで利益を実現するコンセプトで成長を遂げてきた。
撮影:山﨑拓実
木場亮太社長も「(一人でも)その日の気分でちょっと天ぷらが食べたいな、サクッと飲んで帰りたいな……という時に、お気軽にご利用いただきたい」と語ります。
「俺の」グループは今年1月に創業者の坂本孝名誉会長が死去。「俺の天ぷらバル」は新体制下での新しいチャレンジでもあります。
「当社はどこまで行っても料理人が主体の会社です。
1月に亡くなった創業者の坂本(※編注:坂本孝名誉会長。ブックオフコーポレーションの創業者でもあった)が一番大切にしていたのは、料理人を大切にし、日本での外食文化を守っていきたいということでした。
料理人を主体として、愚直にレストラン屋として磨いていく会社になりたい。私を含めて全社員がそう思っています」(木場氏)
「俺の」グループの新業態への意気込みについて、木場氏はこう話します。
「ありがたいことに、これまで“俺の”グループのレストランではご予約をいただき、ちょっとしたハレの日に使っていただくスタイルが非常に多かったのですが、今回は“俺の”原点回帰することにしました。
「俺の」グループにご期待いただいているコストパフォーマンスであったり、普段なかなか食べられない高級料理や高級食材を手軽に楽しみたい……。お客様の期待値に対して、どうすれば我々の強みを活かせるか。色々な議論があった中で、「天ぷら」にしようとなりました」
「ただ、コロナ禍では一部の店舗の閉店をしたり、我々も非常につらく、大変な時期を過ごしてきました。
そんな中でも、冷凍食品の通販サイト「俺のEC」を立ち上げたり、テイクアウト専門店「俺のGrand Market」でお総菜のお持ち帰りの店舗を出店したり、コロナ禍でも試行錯誤を続けてきました。
どんな時代にあっても、必ず食は必要とされます。さまざまな食生活の中で“俺の”グループを使っていただければ嬉しいです」
(取材:吉川慧、撮影:山﨑拓実)
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