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ウクライナ料理身近に 石巻の夫婦が専門店 侵略半年「思いをはせて」/ - 読売新聞オンライン

 ロシアの侵略が続く母国・ウクライナへの支援を訴えてきた石巻市のシェプノフ・ヴィタリさん(44)と妻の早坂真由美さん(42)が、ウクライナ料理の店を始めた。侵略から半年。少しずつ日本での関心が薄れているように感じる2人は、「ニュースを通してだけでなく、料理を味わって身近に感じてもらい、ウクライナに思いをはせてほしい」と話す。(林航平)

 同市立町に先月オープンしたテイクアウト専門店「Borsch(ボルシチ)」は、知人のバーを間借りして水曜と土曜の昼限定で営業している。野菜や肉を煮込んだスープ「ボルシチ」や、ギョーザに似た「ヴァレニキ」、ウクライナのサラダといった伝統料理のセット(税込み1000円)など、ヴィタリさんが仕込み、味付けした料理は酸味やハーブが利いて優しい味わい。ウクライナの家庭の味が楽しめる。

 夫婦でタイ古式マッサージ店を市内で営んでいるが、出身地チェルニヒウで繰り返されるロシア軍の激しい爆撃に、「人を癒やす仕事なのに感情にとらわれ、集中できない」と、店は真由美さんに任せてきた。それでも「ウクライナのために」とメディアの取材に応じ、募金活動にも取り組む。真由美さんが日本ウクライナ友好協会(東京)を通じて送金し、既に寄付総額は50万円を超える。

 4月にはチェルニヒウから母イリナさん(63)と祖母リディアさん(87)が石巻へ避難。市の支援を受けて市営住宅で暮らす。地元住民から寄せられる家族宛ての寄付も多く、ヴィタリさんは「震災でも互いに助け合ってきた日本人は、常に困っている人を助ける用意がある」と石巻への感謝をかみしめてきた。

 ヴィタリさんが牡鹿半島の漁師のもとでアルバイトをしていた時だ。料理好きのヴィタリさんが郷土料理を振る舞うと、「お店を出せばいいのに」と言われるほど好評だった。「支援者にウクライナの料理や文化を知ってもらうお返しができれば、支援する方もされる方も気軽になる」。真由美さんから「私が手伝うから」と背中を押され、開店を決めた。

 オープン初日の8月27日は2時間で約50食を完売し、大口の予約も入るなど上々の滑り出し。今月3日も予約客らでほぼ完売し、同市の看護師、日野昭子さん(58)は「東欧料理が好きで訪れた。食べるのが楽しみ」と笑顔で料理を受け取った。

 ヴィタリさんは「コロナと戦争の話ばかりで人々は疲れている。おいしく味わってリラックスする時間を過ごしてほしい」、真由美さんは「店を大きくし、職に困るウクライナ人留学生がいればスタッフとして受け入れたい」と語った。店の営業は水曜、土曜の午前11時~午後2時半。予約や問い合わせはメール(borschjapan@gmail.com)または電話(080・1146・2125)。

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