地名が付く料理はたくさんあります。例えば“土佐”がつくとカツオやかつお節を使用します。また大阪の“難波”は「鴨なんば」の様にネギを使用した料理の名称に付けられます。「地鶏の有馬焼」や「イワシの有馬煮」というように“有馬”が付くと山椒を使用した料理で、これは東京の高級料亭でもニューヨークの日本料理店でも使用されています。そして山椒は有馬山椒という名称であちこちから販売されていました。
しかし、ある時を境に有馬山椒という名称が消えて行きました。2005年に地域団体商標が導入され、有馬で山椒は栽培されていなかったので、有馬という名前が使えなくなり、販売者は実際の栽培地の名前を付けて〇〇山椒として販売するようになったからです。
有馬山椒の名称が世の中から消えていくのを何とかしたいと考えていました。
有馬の町民の中には山椒採りの名人と言われる人が何人かいて、彼らは「六甲山の山椒は市販されている山椒と香りが違う」と言っていました。その一人が秘密の場所に案内してくれることになりました。そして兵庫県の協力を得て、そこにある山椒の木の穂木を採取して、県の技術センターで栽培してもらうことになりました。その山椒の木をマザーツリーにして、その木から穂木を採取して接ぎ木を行い、大沢町の農家の人たちに有馬山椒の木を栽培してもらっています。現在約500本あります。
有馬ではゴールデンウイークの頃に六甲山に上り、山椒の花を採取してきます。山椒の花は希少ですので大豆と一緒に醤油煮にします。各家庭でそれぞれの炊き方があり、明石のいかなごを炊いたものを配るように近所におすそ分けをする習慣があります。なじみの飲食店に行くと、ちょっとそれを出してくれたりします。
大沢で栽培している花山椒を、まず有馬の伝統的な醬油煮から商品化することになり、婦人会の協力を得て各家庭の調理法を調べて商品化する事にしました。しかし有馬では“山椒の炊いたもの”という呼び方しかありませんでした。そこで、5月になると出回るので「五月煮」という名称を付けました。また花山椒は高級食材です。グラム単価でいうと神戸ビーフのシャトーブリアンよりも高価です。食べ方としては「山椒鍋」が有名で、だしで神戸ビーフと季節のタケノコを炊いて、最後に花山椒を散らすというのが、この季節の最高の食べ方です。これを知っていただく為に、ふるさと納税の返礼品として「山椒鍋」を用意して日本中の人に食べてもらいたいと考えています。(有馬温泉観光協会)
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