インカ帝国の都市遺跡マチュピチュとペルー料理の写真が目を引く。多民族の人たちが共生する川崎らしいたたずまいの店は1992年、JR川崎駅西口に開店した。
店を開いた沖縄出身の新垣善博さん(73)は7歳時にボリビアに移住。帰国してエンジニアとして働いていた頃、日系ペルー人の妻の兄に誘われてレストラン経営に携わることになった。南米では「日本で2~3年頑張れば家が建つ」と言われた時代。大勢の工場労働者が来日したが、職場の食事では物足りない。「おなかいっぱい食べたい」の声に商機を見いだした。
開店時から人気の「カウ カウ」(1200円)は牛のハチノス(第二胃)とジャガイモの煮込み。じっくり煮たハチノスのうま味とホクホクとしたジャガイモの甘味が一体となってご飯が進む。味の決め手は、辛さ控えめのペルー産ホットペッパー(唐辛子)。パクチーとスペアミントも加えるので、肉の臭みは感じない。「かけるとおいしいよ」と店員が自家製の辛いソースもすすめてくれた。
ペルーのレストランで経験を積んだ調理人のイワン・カストロ・マルティネスさん(40)は「ペルーでは週に3回ほど食べられている家庭料理。母親の味を思い出す」と話す。
食後には、現地から輸入した紫色のジュース「チチャ・モラーダ」(350円)をいただく。ペルーの紫トウモロコシとシナモン、パイナップル、クローブを煮だして作り、フルーティーで爽やかな味。ペルーでは夏に好まれるという。
開店当初から口コミで集まった南米人らでにぎわったが、今は客の半数が日本人。「アルコイリス」はスペイン語で「虹」だ。「庶民的な雰囲気の店でペルーの食文化に触れてほしい」。店の名前の通り、日本との懸け橋になっている。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。
川崎市幸区中幸町3の32の4
火曜定休。東京・五反田に姉妹店
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