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改正民法施行 適切な運用で消費者保護図れ - 読売新聞

 改正民法が4月に施行され、生活に関わる契約のルールが大きく変わった。社会に浸透させていくことが欠かせない。

 明治時代に民法が制定されて以来、契約分野では初の抜本改正になる。積み重ねられてきた判例などを明文化するとともに、インターネット取引の普及といった時代の変化に即した内容に改めたのが特徴である。

 例えば、賃貸住宅の敷金について、退去時の返還を大家に義務付けた。借り主は、経年劣化や通常使用による傷みの原状回復義務を負わないとも明記した。

 敷金の返還は、社会生活の基本的なルールと言えるものだが、これまでは法律に規定がなかったため、しばしば争いの種となった。法施行がトラブル減少につながることが期待される。

 国民の間に浸透しているネット通販などで使われる約款(利用規約)の規定も、新たに設けられた。消費者の利益を一方的に害する項目は無効になる。

 細かな文字で書かれた長文の約款を丁寧に読む人は多くない。それに乗じて、約款に不当な項目を紛れ込ませようとする悪質な業者は後を絶たなかった。改正法は、詐欺的な契約行為に対して、一定の抑止効果を持つだろう。

 ただ、「約款を契約内容とする」というような記載があれば、たとえ消費者が内容を理解していなくても、契約は成立する。支払額や契約期限などの重要項目について、消費者にわかりやすい記述を工夫することが大切だ。

 改正民法の成立から今回の施行まで、通常の法改正時よりも長い3年の周知期間が置かれた。改正が約200項目に上るなど影響が広範囲に及ぶためだ。

 多くの企業が契約書類の内容を見直す作業にあたってきたが、担当する弁護士の元には、今も企業からの相談が相次いでいる。少しでも自社に有利な契約方法を探る動きも見られるという。

 企業には、消費者保護に重点を置く法改正の趣旨を踏まえた、適切な対応が求められる。

 国民の理解が十分に深まっているとも言いがたい。法務省は改正民法の啓発マンガを作成し、昨年末にホームページで公開した。弁護士会や消費生活センターなど関係機関と連携し、さらなる周知に知恵を絞ってもらいたい。

 泣き寝入りをしないためにも、何らかの契約を結ぶ際には、当事者としての自覚を持って、細心の注意を払う。そのことを消費者側も忘れないようにしたい。

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April 29, 2020 at 03:00AM
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