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外来種のザリガニ、カエル、料理でいただき一石二鳥…山形・鶴岡 - 読売新聞オンライン

 外来種を食べることで豊かな生態系保全につながれば、一石二鳥の取り組みになる。山形県に外来種のアメリカザリガニとウシガエルを提供するラーメン店やフランス料理店があると聞き、実際に食して、取り組みの狙いと課題を探った。(山波愛)

 訪れたのは、鶴岡市のラーメン店「晴天の風」。豚骨スープながら優しい風味に仕上げたラーメンにアメリカザリガニの粉末が振りかけられた「ざりっ粉パイタンらーめん」は、エビやカニとは異なる独特の香ばしい匂いが漂う。トッピングに、ウシガエルの肉のソテーと塩ゆでされた真っ赤なアメリカザリガニが添えられている。見た目の衝撃と未知の風味に一口目はひるんだが徐々に塩の味付けが癖になり、箸は順調に進んだ。ウシガエルは鶏のささみ肉と似た食感。いずれもおいしくいただいた。

 食材の2種は、鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」が市の防除事業の一環で市内の都沢湿地で捕まえ、地元飲食店に提供したものだ。都沢湿地は元々田んぼだった約7.7ヘクタールの低湿地で、ヘイケボタルやドジョウなど様々な在来種が生息している。店長の加賀山欣也さん(52)は「ラーメンを通じてできる社会貢献がしたい」と2020年から、外来種を使ったラーメンの提供を始めた。価格は1杯950円(税込み)。このうち100円を環境保全金として、ほとりあへ寄付している。昨年は11~12月の期間限定メニューで、1日10杯を販売していたという。加賀山さんは「食べる人が外来種問題を知り、環境を大切にするきっかけになればいい」と話す。

 次に訪れたのが、鶴岡市に隣接する三川町のフランス料理店「ビストロ・デ・ポン」だ。この店もほとりあから仕入れた食材を使った「ほとりあ湿地保全ランチ」(税込み1100円)を提供している。ウシガエルの肉のソテーとアメリカザリガニのビスク(スープ)に、パン、サラダ、飲み物が付いてくるお得なセット。いずれもおいしく、特にビスクはオマールエビと勘違いしてしまいそうだった。

 フランス料理では元々、カエルやアメリカザリガニを食材として使う。本場フランスで修業してきた同店のシェフ佐藤啓志さん(59)は現地でも扱っていたが、輸入品は価格が高くランチに出すのは難しかった。「無農薬の都沢湿地で育ったので雑味が少ない肉になっている」と話す。

 2店とも在庫がなくなり現在はメニューでの提供を休止中だが、6月以降に再開したいという。

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