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イチジクのポテサラ 定番のひと皿に季節のアレンジ - 朝日新聞デジタル

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんがリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は旬のイチジクを使ったポテサラをご紹介。軽やかな風味の自家製マヨネーズがおいしさの決め手です。

―― 冷水先生、こんにちは。心地いい秋が巡ってきましたね。

冷水 空が高くて、本当に気持ちがいいですね。

―― 秋のおいしい食材がどんどん増えてきて、食欲が止まりません!

冷水 食欲の秋ですね〜。今日も張り切ってお料理を作っていきましょう。何かリクエストはありますか?

―― 秋はゆっくりとお酒を飲むのにもいい季節なので、今日は何か、秋らしいおつまみを教えてもらえたらと思っています。

冷水 じゃあ、おつまみの定番、ポテサラなんてどうですか?

―― いいですね! ポテサラって家庭で作る素朴なものもあれば、居酒屋さんで出てくるちょっと凝ったものもあって、アレンジが無限大っていう感じがします。先生流のポテサラ、すごく気になります〜。

冷水 秋らしさをプラスして、今日はイチジクを使いたいと思います。

イチジクのポテサラ 定番のひと皿に季節のアレンジ
今回のポテサラは旬のイチジクが主役。ジャガイモは男爵やキタアカリなど、お好みで

―― おしゃれ! でもまだどんな味になるか想像がつかないので、楽しみです。

冷水 じゃあまずはポテサラの命とも言えるマヨネーズ作りから。

―― おおお、自家製マヨネーズですか!

冷水 ハードルが高いように感じるかもしれませんが、バーミックスがあれば1分くらいで作れるんですよ。卵1個に太白ごま油、EXVオリーブオイル、白ワインビネガー、塩、砂糖をバーミックスやミキサーで攪拌(かくはん)するだけです。

―― なんとも簡単!

冷水 市販のマヨネーズよりさっぱりしていて、でもしっかりとコクがあります。自家製にすることで、ポテサラの味はがらりと変わるので、ぜひ試してみてくださいね。

―― やってみます!

イチジクのポテサラ 定番のひと皿に季節のアレンジ
玉ねぎは茹(ゆ)でることで香りと食感がマイルドになります。少しの水で煮るような感覚で

冷水 次に主役のジャガイモを蒸していきます。皮付きのまま蒸す方が水っぽくならないのでおすすめです。水分があると味がボケてしまうので。

―― 水分は大敵! メモですね。

冷水 ジャガイモが蒸しあがるまで30分ほどかかるので、その間に他の具材の準備をしましょう。玉ねぎは薄くスライスして熱湯で1分ほど茹でます。

―― 茹でるんですか!?

冷水 生で使うとちょっと香りが強いのですが、かといって完全になしにするとパンチに欠ける……。そこで茹でることで香りをマイルドにできたらいいなと思って。

―― 冷水流のひと手間ですね。

冷水 茹でた玉ねぎはザルにあげて、白ワインビネガーを加えて混ぜておきます。お酢でもいいですよ。

―― 食感もマイルドになりそうですね。

冷水 次にきゅうりを薄くスライスして、塩ひとつまみを加えて揉(も)みます。水が出てきたら洗って、水気をしっかりと絞ってください。

―― ここでも水分撃退ですね!

冷水 イチジクは皮付きのまま4〜6等分にカット、ハムは1cm幅に切ります。イタリアンパセリはみじん切りです。

―― 普通のパセリでも代用できますか?

冷水 はい。ディルなど他のハーブでも、お好みでいろいろ使ってみてください。

イチジクのポテサラ 定番のひと皿に季節のアレンジ
イチジクは皮付きのまま。小ぶりなら4等分、大きめなら6等分にカットします

―― そろそろジャガイモがいい感じになってきましたね。

冷水 中まで柔らかくなっていたら取り出して皮を剥(む)き、ボウルの中で潰します。

―― 結構潰すんですね。マッシュポテトの3歩くらい手前って感じでしょうか(笑)。

冷水 ジャガイモの形が残る、ごろっとしたポテサラもおいしいですが、イチジクの食感も楽しんでもらいたいので。白和(あ)えみたいな感じで、イチジクにジャガイモをまとわせて食べるようなイメージです。

―― イチジクは柔らかいので、確かにジャガイモが大きいと負けてしまいそうですね。バランスって大事!

冷水 ジャガイモを潰したボウルにマヨネーズ、ヨーグルト、レモン汁、EXVオリーブオイル、塩を加えて混ぜます。全体が滑らかになったら、汁気を絞った玉ねぎときゅうりとハムを加えて混ぜます。

―― ここではまだイチジクは加えないんですね。

冷水 イチジクは柔らかくて潰れやすいので、最後に入れてください。香りと色味を立たせたいイタリアンパセリも最後です。全体がよく混ざったら、イチジクとイタリアンパセリを入れて、軽く混ぜて完成です。

―― 先生は手で混ぜるんですね。

冷水 もちろんスプーンなどを使ってもいいですが、できるだけイチジクの形を残したいので、手を使って和えるような感じがいいと思います。

―― 確かに「和える」という表現がしっくりきますね。

冷水 今日は華やかに、大皿に盛り付けましょうね。

イチジクのポテサラ 定番のひと皿に季節のアレンジ
蒸したジャガイモは熱いうちに皮を剥いて潰します。ふきんやキッチンペーパーに包むとスムーズに作業できます

―― 居酒屋の小鉢のイメージが強いポテサラですが、盛り付けを変えるだけで、すごく素敵な前菜に見えますね! イチジクの色も綺麗(きれい)です。

冷水 お味は、どうですか?

―― 自家製マヨネーズの酸味が穏やかなお陰で、イチジクの繊細な甘さが際立っています。ジャガイモがねっとりとまとわりついて、すごく一体感がありますね。上品です〜!

冷水 それはよかったです。ポテサラは作った直後より、少し冷蔵庫で休ませた後のほうが味が馴染(なじ)んでおいしくなるので、ぜひ2日目の味の変化も楽しんでください。

―― 楽しみです!

冷水 それぞれの工程で水分を切ることを怠ると、時間が経つにつれて水っぽく、べちゃっとしてきます。味もぼやけてしまうので、くどいようですが、水分には気をつけてくださいね。これが今日のポイントです。

―― しかと心得ました!

冷水 今日はイチジクを使いましたが、ぶどうや洋梨に変えてもおいしいですよ。

―― アレンジが無限にできるポテサラだからこその楽しみですね。季節の移ろいに合わせて具材を変えていくのも素敵だと思います。

冷水 ぜひ作ってみてください。

イチジクポテサラ

材料

  • ジャガイモ

    2個

  • イチジク

    2個

  • 玉ねぎ

    1/6個

  • きゅうり

    1/2本

  • ハム

    2枚

  • イタリアンパセリ

    4~5本

  • 白ワインビネガー

    小さじ2

  • 適量

    A

  • マヨネーズ

    10g

  • ヨーグルト

    10g

  • レモン汁

    大さじ1/2

  • EXVオリーブオイル

    大さじ1/2

  • 適量

  1. ジャガイモは皮付きのまま蒸す。
  2. 玉ねぎは薄くスライスして熱湯で1分ほど茹で、ザルにあげる。白ワインビネガーを入れたボウルに玉ねぎを加え、混ぜる。
  3. 薄くスライスしたきゅうりを別のボウルに入れ、塩ひとつまみを加えて揉み込む。水分が出てきたら水で洗って水気を絞る。
  4. イチジクは4~6等分、ハムは1㎝大に切る。イタリアンパセリはみじん切りにする。
  5. 1.のジャガイモが柔らかくなったら、熱いうちに皮をむき、フォークなどを使って好みの具合まで潰す。
  6. 5.Aの材料をすべて加えて混ぜ、滑らかになったら2.の玉ねぎの汁気を絞ったものと、3.のきゅうり、4.のハムを加えて混ぜる。続いてイチジクとイタリアンパセリを加えて軽く混ぜる。

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