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休校助成「会社が使ってくれない」 働く保護者、相談窓口に訴え - 中日新聞

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、休校のために仕事を休まざるを得ない保護者を支援する国の新しい助成制度が十分に活用されていない。制度を利用するかどうかは企業の判断に委ねられており、労働相談の窓口には「会社が制度を使ってくれない」と切実な相談が寄せられる。緊急事態宣言で休校が長引く中、実効性が問われている。

 国は、小学校などの休校で子どもを世話するために仕事を休んだ人を支援するため、保護者である従業員に年次有給休暇とは別に特別な有給の休暇を取得させた企業に対して助成金を支給する制度を設けた。正規、非正規を問わず一日あたり八千三百三十円が上限で、企業が国側に申請する。

 「使えないと制度の意味がない」。大手機械メーカーの子会社で正社員として働く愛知県内の女性(36)がため息をつく。長女(8つ)の小学校は三月から休校が続く。国の制度を使うよう会社に求めたが、担当者は「親会社が導入しておらず、うちも使う予定がない」。必要なら年次有給休暇か、無給での休みを取るように言われた。

 夫と交代で会社の指示通りの休みを取り、知人と互いに子どもを預かったり車で往復三時間かかる義理の両親に預けたりして働く。「政府が『救済します』と言っても結局形だけで、企業が動かないと使えない。有給もこのために残したわけじゃないのに」と憤る。

 こうした相談が支援団体や労働局などに寄せられている。愛知県労働組合総連合(愛労連)には「休校中の小学生の子は自閉症で、人が来ると玄関を開けてしまう。会社は制度を使ってくれず、有給もあと二日で、ぎりぎりだ」(四十代女性)など不安の声が届く。

 企業にとっては、今回の特別な休暇の導入は義務ではない。各支援団体によると、必要な手続きが煩雑だと敬遠したり、人手不足で休ませたくないと考えたりして助成金を申請しない企業がある。日額で換算した賃金が八千三百三十円の上限を上回る場合は、その分を会社が負担するという事情もある。

 厚生労働省は、労働者から「会社が制度を使ってくれない」と相談があった場合、相談者の了解を得た上で、企業に対して制度の利用を促すよう全国の労働局に指示した。厚労省の担当者は「制度をしっかり理解して使ってほしい」と話す。

 制度自体の改善が必要だとする指摘もある。全国から労働相談を受けるNPO法人「POSSE」(東京)の今野晴貴代表は「会社が負担を避けるために申請しないのを防ぐには、上限額の引き上げや撤廃を検討する必要がある」と説明。「この制度は、企業のやる気がないと効果が出てこない。企業でなく労働者個人が請求できるようにするなど、制度の改革をしていかないといけない」と話している。

 (横井武昭)

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