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「適応力」信じ見守って 学校再開 保護者の心構え - 東京新聞

 緊急事態宣言の解除で、約三カ月続いた休校措置が終わり、学校が段階的に再開している。「ようやく」と安堵(あんど)しつつも、生活の度重なる変化に向き合う子どもが心配な保護者もいるだろう。小児科医で、インターネット上の「子ども学」研究所「チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)」所長の榊原洋一さん(68)は「子どもには大人にはない柔軟性がある。信じて温かい目で見守って」と助言する。 (小林由比)

 学校の再開で、気になるのは子どもの生活リズムの立て直し。榊原さんは「生活を元のペースに戻すことを焦らず、少し時間がかかるととらえてほしい」と語る。特に小学校低学年は、入学時くらい手が掛かることもあり得る。「休校期間中、ゲーム時間が長くなっても少し大目に見ていた、といった姿勢をもう少し続けてほしい」と促す。

 子どもが怠けていると、親は「このままだと後々が心配」と思ってしまう。だが、榊原さんは子どもには環境への適応力があると説く。「通学する環境になれば徐々に応じていく。子どもには時間がたっぷりあるのだから、乱れてしまった習慣もいくらでも回復できる、直していける時間があるととらえたほうがいい」

 外出自粛で体力低下を心配する声もあるが、「子どもの体力は環境が変われば元に戻るので心配いらない」と榊原さん。例えば五輪でマラソンが注目された後には子どもの持久走のレベルが上がるなど、環境の変化が子どもを変えることはよくあることだという。

 文部科学省は本年度の内容を次年度に持ち越すことを容認するとしている。だが、学校現場は、休校によって遅れた学習カリキュラムを取り戻すことに必死で、授業がぎゅうぎゅう詰めになることも予測される。すでに夏休みの短縮を決めた自治体も。榊原さんは「今年の夏は子どもたちにとって『地獄の夏』になるかもしれない。子どもの身体的、心理的な負担は相当大きなものになり、かえって学校嫌いを増やす危険性がある」と警鐘を鳴らす。

 学校再開の目的が教育の進行だけになれば、親も追い込まれかねない。家庭で取り組む課題が増え、親が先生に代わって指導しなければならない場面が増えるからだ。榊原さんは「親子の関係性が悪くなり、家庭内の葛藤は高まる」と指摘する。

 親はどう対応すべきか。家庭の判断で「できない」と割り切って対応するのも一つの手。「親の中には、とにかくカリキュラムを終えてほしいと考える人もいるだろうが、こういう時こそPTAなどを介し、学校に意見を伝えてもいいのでは。地域差を懸念する保護者もいるが、今回は世界中の子どもが同じような影響を受けている。大所高所に立った視点を持つことも必要ではないか」

 榊原さんは今回のような事態になると、仕事や経済など大人の生活ばかりに目が向き、子どもの暮らしが後回しになりがちなことも問題視する。「生活圏はむちゃくちゃになり、慣れないオンライン授業や大量の課題に一人で取り組まねばならなかった子どもたちは相当のストレスをためている。だからこそ今は焦らず、子どもを待ってあげる、必ずまた元に戻ると信じてあげることを大切にしてほしい」

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