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被災古文書の修復2割 個人所蔵、コロナで遅れ - 日本経済新聞

昨年10月の台風19号で水に漬かるなどした歴史資料の修復が遅れている。仙台市のNPO法人が宮城県で「救出」した個人所蔵の古文書など約1万点のうち、乾燥などの応急処置を終えたのは約2割にすぎない。新型コロナウイルスの感染拡大により作業が一時中断したためで、東日本大震災で被災した資料も修復は積み残されたままだ。

NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの作業室で修復される、台風19号で浸水被害を受けた古文書(9月、仙台市)=共同

NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの作業室で修復される、台風19号で浸水被害を受けた古文書(9月、仙台市)=共同

9月下旬、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの作業室では、マスク姿の女性3人が筆を使い、和紙を丁寧にのり付けしていた。寛政(江戸時代後期)の頃に書かれた、領地や家臣団に関する武士の古文書修復に当たっている。

宮城県涌谷町の武士家系の子孫が空き倉庫に保管していたが、台風で水浸しに。複数の和紙をつなげた長い古文書を一度ばらし、おけの真水に浸して泥を落とした上で乾燥させた。この日は仕上げの工程だった。

ぬれた資料はカビの繁殖を抑えるため冷凍庫に一時保管、エタノールを吹き掛けるなどの処置を取る。地道な作業の繰り返しだ。

法人は2003年、研究者らが設立。災害に備え、宮城県内各地の教育委員会や郷土史家と連携して資料のリスト化を進めてきた。11年3月の震災では沿岸に足を運び、つぶれた蔵などから約10万点を収集した。

だが密室でボランティアが担う作業は、コロナ対策で今年3月から8月半ばまで中断を余儀なくされ、再開後も人員や作業時間を絞っている。

修復を終えた後に預かり続けている資料も多い。返却するか、博物館などへの寄贈を持ち主に呼び掛けたくても、集団移転などで連絡先が不明のケースがあるという。

法人の事務局長で東北大災害科学国際研究所の佐藤大介准教授(江戸時代史)は「国や自治体に指定された文化財だけでなく、個人所有の古文書や手紙といった文書記録も地域の歴史を伝える貴重な資料だ。守っていけるよう、行政や持ち主に働き掛けたい」と話す。

〔共同〕

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October 13, 2020 at 09:23AM
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