「レストラン ストックホルム」の店内の様子 筆者撮影
それは突然の告知だった。スウェーデン料理、スモーガスボードの日本で唯一の専門店「レストラン ストックホルム」が、今年5月29日で51年の歴史に幕を下ろした。この閉店で、日本からスモーガスボード専門店が消えてしまった。実は、スモーガスボードは、日本の「バイキング料理」の元祖だ。バイキング料理発祥から現在に至るまでの、スモーガスボードの歴史をたどりながら、閉店の背景を探っていこう。(講演・研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利)
バイキング料理の元祖
「スモーガスボード」とは?
スモーガスボード(smorgasbord)はスウェーデン語で、スモーガスは「バターが付いたパン」、ボードは「テーブル」の意味だ。
オープンサンド(パンの上に肉や野菜などを乗せたサンドイッチ)を作り食べることが由来で、17世紀のスウェーデンが起源とされている。北欧(ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどスカンジナビア諸国)文化圏の由緒ある伝統料理である。
一つの大きなテーブルにさまざまに並んだ料理を、ビュッフェ形式で取り分ける。冷製が中心だが、後に温製料理も提供されるようになった。
その食べ方には様式がある。各自の好みで料理を取り分け、味わうのだ。一度にたくさんの料理を山盛りに取ることはせず、お皿に少しずつ盛りつけていき、何度も往復する。
基本はフルコースと同じで、前菜に始まり冷製の魚介類、肉料理とサラダが続き、温かい料理、デザートに進む。料理ごとに皿を交換して使い回しはせず、料理もシェアしない。お皿の数が多いほどマナーがいいとされるのだ。
50年以上にわたって客を魅了
「レストラン ストックホルム」の魅力とは
「レストラン ストックホルム」は、1971(昭和46)年に創業した。
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