調理機能付き炊飯器が普及してきた。ただご飯を炊く以外に使っていない家庭があるのではないか。どんな料理ができるのか。使用上の注意点とともに専門家やメーカーに聞いた。
「せっかく調理機能が付いているのに、炊飯にしか使わないのはもったいない。スイッチひとつで誰でもできる。フル活用してほしい」。「炊飯器でラクチンレシピ」などの著書がある料理研究家の阪下千恵さんはこう話す。
活用方法として阪下さんがまず挙げたのが煮込み料理。「料理で難しい点のひとつが火加減の調整。炊飯器を使う場合、機械にすべて任せられるので煮込み料理のハードルが下がる」と強調する。「骨付きの鶏肉などはやわらかく仕上がり、味がしみこみやすい。ぶり大根は大根の下ゆでなしで調理できて、鍋を使うのと遜色ない」
煮豚やロールキャベツといった比較的長い時間煮込む必要のある料理にも適しているという。鍋をガスコンロに置いて加熱する場合は火加減を見なければならず、火事の心配もあって目を離せない。炊飯器であれば内釜に材料を入れて仕込み、スイッチを入れれば、自動的に調整してくれる。鍋に付きっきりだった時間を他の用事に振り向けられるのがメリットだ。
タイガー魔法瓶(大阪府門真市)で炊飯器開発を担当する前田真矢子さんは「時間がたったら加熱が止まり、安全装置も働くので、ほったらかしにできる」と説明する。
前田さんのおすすめは食材の下ごしらえでの活用だ。「かたまり肉の下ゆでには炊飯器が使える。焦げ目を付けたり、ソースと合わせたりするのはフライパンなどと使い分けるとよい。サツマイモなど野菜の下ゆでにも使える」
機種によっては「焼く」料理も可能だ。前田さんによると、ケーキを焼くメニューが用意されており、この機能を使ってオムレツや焼きギョーザができる場合がある。
手軽に利用できそうな炊飯器調理だが、注意したい点もある。ご飯を炊く以外に使う場合には必ず調理機能付きの機種を選ぶのが大前提だ。前田さんは「炊飯に特化した機種をそれ以外の調理に使ってしまうと、故障や誤作動の原因になる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
炊飯器でご飯を炊く場合、基本的には内釜の中に入れた水がなくなったのを検知して蒸らしに移行する仕組みになっている。想定していない食材や水量でセットすると、釜が焦げ付いたり、逆に生煮えを起こしたりしかねない。
多量の油を使う料理、カレーやジャムといったとろみの出る料理にも気を付ける必要がある。温度センサーが誤作動を起こし、内釜が焦げ付く原因になりうる。
内蓋などにくっつきやすい葉物野菜、トマトなど皮付きの野菜、加熱によって膨張しやすい練り物なども要注意。ポリ袋に食材を入れて加熱する調理法で炊飯器を使うのも避けたい。加熱中に蒸気孔を塞いでしまい、吹きこぼれを起こす恐れがあるからだ。
手持ちの機種の取扱説明書にはこうした注意事項が書かれている。調理前に必ず目を通し、確認しておこう。
阪下さんは「加熱時間や水分蒸発量が鍋で調理する場合とは違ってくる。説明書を読み、炊飯器用レシピを参考にきちんと計量して調理してほしい」と助言する。
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