マヨネーズを主力とする食品メーカーのキユーピーが中心となって魚介類の消費拡大を促す推進プロジェクト「旬のやさかなレシピ」が動き出した。相性がいい「野菜」と「魚」を組み合わせた〝やさかな〟を合言葉に新たな料理を考案、この「やさかな料理」の普及を通じて魚離れに歯止めをかけるのが狙いだ。プロジェクト参加企業は4社だが、今後、食関連企業を対象に広く参加を呼び掛けていく。
総務省の家計調査によると、生鮮魚介類の1世帯当たりの年間購入量は、この20年間で大きく減少。魚を使った料理が家庭の食卓に上がるのは週1回程度という調査結果もあるほどだ。
魚離れの背景には、さばくのが難しく、調理にも手間がかかるといったことなどが挙げられる。夫婦共働きの世帯も増えており、時間がかかる魚料理は敬遠される傾向にある。肉と比べて割高という理由もあるようだ。
キユーピーはマヨネーズが主力だが、少子高齢化が進む中、売り上げを確保していくため、他の調味料の品ぞろえを強化している。生鮮売り場では、家庭での調理の悩みごとであるレパートリーの充実や時短実現をコンセプトにした「フレッシュストック」ブランドのソースなどを展開している。今回のプロジェクトでは、同ブランドを浸透させる狙いもある。
まず第1弾として、魚料理用の「鮭(さけ)の蒸し焼きソース」を使う。プロジェクトに参画する料理家の和田明日香さん考案による夏野菜とサケ、同ソースを使ったやさかな料理レシピを交流サイト(SNS)を通じて公開。あわせて、スーパーなどの鮮魚売り場でもチラシなどの販促物や、売り場に設置されているモニター画面を通じてレシピの紹介も始めた。最初をサケにしたのは回転ずしでも人気で、比較的値段も安いからだ。今後、サケ以外の魚を使ったやさかな料理も提案していく。
同プロジェクトには、食品メーカーだけでなく、回転ずしチェーンや卸会社も参加する。
回転ずし店「金沢まいもん寿司」などを展開するエムアンドケイ(金沢市)は、店舗で創作ずしの提供を開始した。フレッシュストックのソースを使用したやさかなメニューとして「蝦夷鮑(えぞあわび)と旬野菜」「加賀太胡瓜(かがふときゅうり)と海鮮彩々」「サーモンアボカド」の3種を開発。同社が展開する金沢まいもん寿司、グループ会社のいちもん(群馬県伊勢崎市)が運営する「群馬を握る、まぐろ問屋 いちもん」で、6月30日までの期間限定で始めた。東京や大阪の店舗などを含む計18店で提供する。
エムアンドケイは「魚の消費量を増やすことで漁業関係者を支援していきたい。今後もこうした機会を作るとともに、自社でも子供向けの食育イベントなどを検討していく」(広報担当)としている。
同プロジェクトでは、魚介類仲卸の山治(やまはる)(東京都江東区)と青果仲卸の大(だい)治(はる)(同大田区)が、魚介類と野菜、ソース、レシピをひとまとめにした「やさかな料理キット」を提供する計画もある。新型コロナウイルス禍で家での食事が増えているだけに、調理の機会と食べる機会を増やすことで、魚介類の消費促進に弾みをつける。(青山博美)
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