Q 料理酒って何のために入れるのでしょうか。子どもが料理を食べても平気ですか。
A 食材の臭み消す名脇役
料理酒は、料理をおいしくするために加えるお酒のこと。いわば引き立て役で、脚光を浴びることの少ない調味料かもしれません。「キッコーマン食品」(東京)で商品企画・開発を担当する平岡洋太さん(37)に、その効果を聞きました。
魚や肉に絡めたり、漬けたり、煮汁に入れたりして使うことが多い料理酒。「含まれている有機酸や、不快なにおい成分を一緒に揮発させるアルコールの効果で、食材の臭みを消してくれます」
さらに、アミノ酸やコハク酸も含まれているため、うまみやこくが増すほか、煮崩れを防ぎ、味をしみこみやすくする効果もあるといい、「縁の下の力持ち」と平岡さん。独特の香りを楽しみながら飲む「日本酒」とは目指すところが異なり、同社の料理酒では「食材そのものの風味が生きるように」と、酒の香りをあえて抑えているそうです。
使った効果を感じやすい料理の代表格は「アサリの酒蒸し」。魚介類にたっぷりと使うことで「臭みが消え、風味豊かに仕上がる実感を得やすいはず」。今が旬のサケの切り身に振りかけて使う炊き込みごはんもお勧めで、ウナギのかば焼きを電子レンジで温め直す前にかけても、ふっくらと仕上がるといいます。
市販の料理酒のアルコール度数は十数%。平岡さんは「アルコール分は加熱によって飛びますが、不十分だと残ります。お子さまが召しあがる場合はしっかりと加熱してください」と説明します。
同社と独立行政法人酒類総合研究所(広島県)によると、料理酒には明確な定義がなく、酒税のかかる「酒類」に該当する「清酒」と、塩や酢などを加えた「食品」に分類される「発酵(醸造)調味料」の大きく二種類があるそうです。
キッコーマンによると、戦後国内にスーパーが次々と誕生し、酒販免許を持たなかったこれらの店でも料理用の酒を販売できるよう、塩などを加えて酒類ではなくした調味料として料理酒が生まれたといいます。
実際にスーパーを巡ると、原材料欄に「食塩」と書いてある商品が多く並ぶ一方、ラベルで「食塩無添加」「食塩0」と強調した商品もありました。
平岡さんは「市販の料理酒の約八割が、実は食塩入り。酒蒸しのように料理酒をたくさん使うメニューは、想定以上に塩辛くなってしまうことがあります。食塩摂取量に気を付けている方は特にラベルをよく見て商品を選んでください」と呼びかけています。
多くの生鮮食材が旬を迎える秋。「名脇役」の活躍も楽しみながら料理を味わいたいですね。 (神谷慶)
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