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ベトナム・ハノイでおなじみの麺料理「フォー・ボー」…バラバラな風味が生む絶妙なハーモニー - 読売新聞オンライン

 日本では鶏肉が入ったベトナムの麺料理「フォー」をよく見かけるが、本場の主役は牛肉をのせた「フォー・ボー」。出勤前の早朝・昼に食堂で食べるのがベトナム流だ。

 ハノイの庶民向け食堂「フォー・ボー・トゥアン」では、薄切り牛肉の煮込み具合を半生の「レア」や、よく煮た「ウェルダン」から選べる。使う部位もヒレやスネなど様々だ。

 スープは牛骨を3時間水に浸し、煮立てた後で煮汁を捨てる。再び水を入れ、さらに塩と白ワインを加えて12時間煮込む。これにヌクマムと呼ばれる (ぎょ)(しょう) や砂糖などを加えて味を調える。

 サッとゆでた平たい米粉製の麺と、牛肉やタマネギなどの具材をおわんに盛る。ショウガやシナモンなどで香りをつけた熱々のスープをかけ、パクチーやネギを添えたら出来上がり。店のイチオシは肩バラ肉を使うフォー・ボーの一種「フォー・タイ・ガウ」で、3万5000ドン(約200円)だ。

 透明感のあるスープは、ほのかに魚介類の香りがたつ。一口含むと、あっさりとした塩味にパクチーなどの個性的な風味が加わり、バラバラの素材が入り混じった絶妙なハーモニーを堪能できる。コクのある牛肉や、ふんだんに使った野菜に、もちもちとした麺の食感がマッチする。

 店主のチャン・バン・アインさん(40)は、小学生の頃に母が売っていたフォーの味を追い求め、12年ほど前に自分の店を開いた。「おいしいスープをつくるため、新鮮な牛骨をたくさん使う」という母の教えを守りながら、独自の味に仕上げた。「寒い中、湯気が立つフォーをすするのが一番」と冬の1杯がおすすめで、「今後も味に磨きをかけたい」と意気込んでいる。

 通常のフォー以外では、大鍋で肉や野菜などと麺をいため、焼きそば風にした「フォー・サオ」や、春巻きのように肉や野菜を米粉の皮で巻いた「フォー・クオン」などがある。麺も、ミエン(春雨)やミー(中華麺)など様々な食感が楽しめる。

 フォーの本場はベトナム北部とされる。ハノイや近郊では、オフィス街から住宅街、農村地域まで、至るところで「フォー・ボー」の食堂の看板を目にする。

 ハノイの文化に詳しい著述家のグエン・ゴック・ティエンさん(64)によると、フォーが登場したのは19世紀末と推測されるという。

 起源は諸説ある。一説によると、かつては田んぼを耕す水牛の骨からスープを取っていたが、より一般的で安価な牛に変え、労働者向けにアレンジしたものが発祥とされる。

 このほか、「中国・広東省の牛肉を使った麺料理に由来する」、「フォーという呼称は、旧宗主国フランスの家庭料理ポトフの『フ』が転じた」という説もある。

 消化が良く、値段も手頃なことから「庶民のソウルフード」となったのは確かだろう。飽きのこない味で、間食にもぴったりだ。

 ちなみに、日本人にとってフォーの発音は意外と難しい。ため息をつく時に「あーあ」という要領で、口をはっきりと開けずに「ファー」のように発音すると、本場でスムーズに注文できる。

 国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。

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