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リサイクル息子のための料理教室「やっぱり、子供が食べたいナンバーワン、メンチカツ」 - Design Stories

パパはさ、君と45歳も年が離れているからね、時々、人生に疲れちゃうんだ。
わかるだろ? 
でも、親だから君をちゃんと育てるまではリタイア出来ないなって、思い続けて、生きてきた。
わかるよね? 
君と二人きりで生きることになった時、幸せって何だろうって、悩んだこともある。
ご飯を作っている時とか、子供部屋の掃除をしている時とか、スーパーで買い物をしている時なんかに、ふっと頭を過って、よく立ち止まってた。あはは。
若かった頃は幸せなんてものは求めていなかった。
でも、シングルになって君を育てねばならない宿命を背負ったあの日から、パパは絶対幸せになってやるって意地になっていた。
君もうすうす感じてたとは思うけど、…。笑。

幸せを探している自分が常にそこにいたなぁ。
幸せってなんだと思う? 成功? お金? 贅沢出来るくらし? 愛する人がいることかなぁ? 
でも、幸せって、ふとしたときに、え? もしかしたら、今、自分幸せなのかな? これが幸せなのかなって気が付くようなものじゃないかって気がついた。
とくに幸せのただ中にいる時には逆に気づきにくいものなんだ。
あ、そうだ。幸せって失ってはじめてあれが幸せだったのかな、と気が付くものだったりするよ。あんまり欲張りすぎていると、見失いがちな、小さなものだったりする。

思えば、二人で生きて8年目に入ったけど、パパは時々、君が小学生だった頃のこととか、思い出す。
ほら、パパが君のバレーボールのコーチになって、特訓をやった時期があったじゃないか。
家の前の広場で。「パパ、バレーボールやれる? 」とよくせがまれたじゃない?
君はバレーボール部員だった。強くなりたいから、コーチしてって、頼まれた。
面倒くさいなぁ、とは思ったけど夕方、毎日、特訓(?)したじゃん。
もうやらなくなったけど、パパはあの頃のことが忘れられない。たまに思い出す。
君は一生懸命だった。
で、中学になるとパリ大会で銅メダル、銀メダル、そして、金メダルまで取って帰ってきた。
その度に、パパはまるで自分が取ったみたいに大喜びだった。あれは幸せな瞬間だったなぁ。
紛れもない、我が人生の中で一番幸せな時間だった。
ふと、あれ? 今、幸せなのかな、と思ったりした。
形になっているようでならないもの。目に見えるようで見えないもの。幸せってあまりにささやかすぎて気が付きにくいものなのなんだよ。
なんかすごい賞を受賞した人とか大金持ちが幸せだとはもう思わなくなった。
昔の自分が追いかけていたものは賞状とか賞金とか栄誉とか成功が伴うものばかり。
幸福を勘違いしていた。それは達成感に過ぎなかった。
幸せは達成感じゃない。人生という終わりのない旅の過程にある休憩する場所だ。
旅を振り返り、これから向かう旅への希望を噛みしめる場所だよ。
よく生きてきたなぁ、と自分に満足をする瞬間でもある。
それが幸せの瞬間なんだ。つつましいものかもしれない。

人が幸せを感じにくいのは、つまり、苦しみの理由がわからないからじゃないか。
苦しみの理由をいつも曖昧に見過ごしているからじゃないか、と思う。
苦しみから目をそらさず、生きなきゃ、とぼくは自分にずっと言い聞かせてきた。
パパはいつも自分を戒めて生きてきたんだ。そうしたら、その苦しみの根本を理解できるようになってきた。
日々のささやかな感動を喜びと感じるようになってきた。
例えば、料理とか、食事とか、君との会話とか、…。
君が少しずつ大人になっていく毎日をぼんやり眺めながら、これが幸せなんだろうな、と思えるようになっていく。
欲張らず、ちゃんと生きていれば、たくさん幸せが見えてくることにも気が付くことが出来た。
今は、身の回りにある毎日の小さな見逃しそうな幸せをかき集めて生きている。
それは素晴らしいことだ。胸を張って言うけど、それこそが幸せだ。
だから、キッチンに立ち、さぁ、美味しいものを作るぞ、と自分に号令かける時、パパは幸せだなって、自覚することが出来ている。

いいかい、辻家の家訓だ、よく聞いておけ。愚痴や不平も言い過ぎると、不幸が近づいて来る。
だから出来るだけ明るい未来を見つめるように生きろ。
どうせ、ぼくなんか不幸だからとひねくれるな。
不幸に慣れたり、不幸を招いちゃいかん。
小さな幸せかき集めて、楽しい未来を心に描け。
幸せは幸せを招き、不幸は不幸を招くからだ。

地球カレッジ

さて、今日は、君も父ちゃんも大好物なメンチカツを作るよ。めっちゃ簡単だからね。
まず、玉葱は粗微塵に切り、他の材料(材料表を見てね)と共に混ぜ合わせしっかりの捏ねる。それを生地が柔らかいのでやや小さめに丸め、フライ衣をつけて170~180度の油で揚げたら、完成。え? はやっ。あはは。レシピは以上。
難しいのは生地を成形するのがちょっとデリケートな作業になるけど、力を込め過ぎず、優しくやれば、幸せをいつくしむようにやれば、大丈夫。
ちょっとくらい形が悪くても、味は抜群! 幸せの味だ。
 さ、じゃあ、喰うか!幸せの味じゃぁ!!!

リサイクル息子のための料理教室「やっぱり、子供が食べたいナンバーワン、メンチカツ」

リサイクル息子のための料理教室「やっぱり、子供が食べたいナンバーワン、メンチカツ」

リサイクル息子のための料理教室「やっぱり、子供が食べたいナンバーワン、メンチカツ」

■材料
豚ひき肉  300g
玉葱    300g(大1個)
塩麹    大さじ1
味噌    大さじ1
マヨネーズ 大さじ1
砂糖    大さじ 1/2
酒     大さじ2
<衣用>
小麦粉 適量
卵   適量
パン粉 適量
揚げ油
■塩麹の作り方
市販のもので十分だけど、ちょっと付録しておくね。自家製はやっぱ、美味しいよ。

<材料>
生米麹 200g
塩   70g
水   250cc(目安)

<作り方>
① 麹と塩をよく混ぜ合わせ熱湯消毒した保存容器に入れる。
② そこに麹がひたひたに浸かる位の水を加えてよく混ぜる。
③ 1週間から10日間毎日混ぜて完成するが、初めの数日は麹が水を吸って水の量が減ってくるのでその都度ひたひたになるよう水を足す。その後、冷蔵庫で保存する。

リサイクル息子のための料理教室「やっぱり、子供が食べたいナンバーワン、メンチカツ」

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