長野県立大(長野市)グローバルマネジメント学部4年の行徳ゆりなさん(22)が企画した「作る!エシカル料理教室」が10月下旬、長野市内で開催された。エシカルは英語で「倫理的」の意味。近年は人や社会、環境に優しいサービスを選ぶエシカル消費が注目されているが、そうした商品は学生には敷居の高い側面も。「身近なエシカル」を考えてほしいと開いた料理教室の様子を取材した。
◇「無駄にしない」もエシカル
小学生から大人まで15人が参加し、3グループに分かれて調理。「簡単レシピ研究家」として活動する長野市の大口知子さんが講師を務めた。1人暮らしの若者でも無理なく、無駄なく、継続的に実践できるようにと、肉料理やみそ汁、サラダなど5品目に挑戦した。
みそ汁は鍋で作ると、量が多くなって余らせがち。今回作った「手作りインスタントみそ汁」はおわん1つに1人分の具やみそ、かつお節を入れて、お湯を注ぐ。少量で作りやすく、無駄がない。
肉料理で使ったしょうゆこうじは、豆腐にかけたり、ドレッシングを作ったりと何通りにも使える。いくつも調味料を買って使い切れずに捨ててしまう人にお勧めだ。
環境に負荷がかかるという意見もある冷凍カボチャを使ったサラダも作った。大口さんはそうした意見も踏まえた上で「冷凍は、腐って捨てることを減らせる。『無駄にしない』のもエシカル」と利点を指摘。「身近にできるところからエシカルにトライしてはどうか」と提案した。
◇身近なエシカル、考え深める機会に
行徳さんは大学1年生のときにエシカルの考え方に出合い、長野市内でのイベント運営に関わってきた。この春に県立大で行われたSDGs(持続可能な開発目標)や地域貢献のアイデアを競うコンテストでは一連の取り組みや今回の教室の構想を発表し、3位に入賞。そこで得た助成金を活用して今回の料理教室を開いた。
行徳さんが重視したのが、参加者同士で話しながら考えを深めてもらうこと。自身の関わったイベントでは、産地で働く人々に適正な賃金を払う「フェアトレード」の商品販売や、エシカル消費のパネル展示などがあって盛況だった。その一方、来場者と話せる時間がわずかだったり、出展側からの一方通行の発信になったりしていないかと気がかりだった。自分で、普段の生活にエシカルを取り入れようとすると、学生には簡単に手に入らない商品もあった。料理教室は学生でも無理なく実践できる内容を心がけた。
当日はエシカルについて話すきっかけにしようと「クイズ」の紙も配布。正解が一つではない問題もあり、参加者それぞれの立場から話が膨らむようにした。
そうした問題の一つが「1人暮らしで毎日キャベツを食べると、何日で1玉使い切れるか」。あるグループでは、寮で暮らす大学生が「自分は4分の1しか買わないようにしている」と言うと、小学生と一緒に参加した母親が「料理によっては1回でたくさん使える」と話していた。
長野市緑ケ丘小学校3年生の戸井田千紗さんは「エシカルって身近に簡単にできるんだと知った」。同市の公務員女性(59)は「いろいろな立場の人と話して発見があった。楽しみながら、じわっとエシカルについて考える機会になった」と話している。
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