Search

あのとき、何食べた? #7 伝えたいお母さんの料理 - nhk.or.jp

皆さんには"忘れられない食事"はありますか?
「あのとき、なに食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

モンゴル族の文化を受け継ぐ。

ここは岐阜県郡上市の「ミニモンゴルキャンプ場」。モンゴルの文化をそのままに体験できるキャンプ場です。モンゴルの移動式住居"ゲル"が立ち並び、馬や羊が放し飼いに。サルラさんが日本人の夫とともに運営しています。二人の間には娘が一人。6歳になるユリアちゃんを、サルラさんはもう馬に乗せ始めています。サルラさんが馬に乗り始めたのも6歳のころだったそう。家畜を追い、家の仕事をこなすためです。動物は常に身近な存在でした。「モンゴル人として、自分が親から教えてもらったことをできるだけ子どもたちに教えていけたらと思う」と話します。

お母さんから教わったシャルビン

伝え残したいモンゴルの文化 しかし...

サルラさんは牛肉を混ぜながら、「本当は羊肉で作るんだけど、日本ではなかなか手に入らないから」と少しさみしげな顔を見せました。
モンゴル族にとって、シャルビンは家族で集まる正月に必ず食べる料理だそう。サルラさんが最後に故郷に帰ったのは3年前。ユリアちゃんも一緒でした。すぐにモンゴルの文化が好きになったユリアちゃんは、モンゴルの言葉を覚え始めています。

しかし、日本に戻ってすぐサルラさんは衝撃を受けることになります。内モンゴル自治区で、中国語による教育の強化が始まったのです。内モンゴル自治区の学校で行われる授業の一部が、モンゴル語ではなく中国語で行われることになりました。モンゴル語が消えてしまうのではないか。抗議活動を行う生徒や保護者もあらわれました。サルラさんは「生まれ育ったなかで教わった言葉が、どうしてなくならなくてはならないのか。切なくて悲しいです」と訴えます。

取材後記

印象に残っている瞬間があります。
モンゴルの移動式住居"ゲル"のあいだを馬や羊が自由に駆ける様子を見て、「なぜ動物を放し飼いにしているのですか?」と聞いたときでした。サルラさんはしばらく時間をおいて、「動物を自由にしてあげたいから」と話します。「本当は動物が先にこの世界にいて、そのあとに人間がいろんなものをつくった。そして、やがて柵をつくって、動物を囲うようになった」草原には国境もなかったはずなのに。サルラさんはそう続けました。
遊牧民として草原を自由に駆けたモンゴル族の人々は、いまさまざまな「柵」に囲われ、そのあり方が変わろうとしているのかもしれない。私はそんな風に感じました。

Adblock test (Why?)



from "料理" - Google ニュース https://ift.tt/GLA2E7N
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "あのとき、何食べた? #7 伝えたいお母さんの料理 - nhk.or.jp"

Post a Comment

Powered by Blogger.